NEC・NTT・富士通・日立ら、SDNで広域ネットワークを実現する基本技術を確立

　日本電気、日本電信電話（NTT）、NTTコミュニケーションズ、富士通、日立製作所は3月7日、通信事業者が提供するモバイルネットワークやインターネットなど、広域ネットワークインフラの総合的なSDN化につながる基本技術を確立したことを発表した。

　5社は、総務省の「ネットワーク仮想化技術の研究開発」の委託研究として、世界初の研究開発プロジェクト「Open Innovation over Network Platform」（プロジェクト愛称:O3（オースリー）プロジェクト）を、2013年6月から開始している。

　今回、このプロジェクトの成果として、複数の広域ネットワークインフラを統合管理するプラットフォームや、その上で動作する汎用ネットワーク制御アプリケーションなどの基本技術を確立した。「統一的ネットワーク情報データベース技術とリソース割り当て技術」「ネットワーク共通制御/管理技術」「仮想化対応ネットワーク装置技術」により、ネットワーク情報の統一的な表現を定義し、これを扱うデータベースを構築することで、光ネットワークなど下位レイヤのネットワーク資源を、パケットトランスポートなど上位レイヤから簡単に扱えるようにした。

　これにより通信事業者は、光、パケット、無線などを組み合わせた仮想ネットワークを簡単かつ迅速に提供できるようになる見込みだ。サービスプロバイダは、Web上での簡単な入力などにより、希望するネットワーク構成を通信事業者へ伝えることが可能となる。将来的に通信事業者は、サービスプロバイダの要求に応じた広域ネットワークの設計・構築・変更を、従来の約1/10の時間で実現できる。

　2013年度中には、ホームページなどにより情報公開を開始、2014年度中には成果の一部をオープン化し、2016年3月までには研究成果内容および実証実験等の結果をあきらかにし、国内外の通信事業者・サービスプロバイダ・ベンダへの提供を目指す。