ドコモ担当者に聞く、「プレミアクラブ」制度改定の狙い
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ドコモでは、同社のポイントプログラム「ドコモプレミアクラブ/ドコモビジネスプレミアクラブ」の制度をこの4月から一新する。現状は、ステージポイント(SP)とドコモポイントの2つのポイントシステムで構成されており、利用金額に応じて貯まるSPによって、会員の“ステージ”が上がり、それに伴ってドコモポイントの付与率が上がる仕組みとなっている。ステージは、継続利用期間によっても上がるが、利用金額の影響も大きかった。改定後はこのSPを廃止し、ステージは継続利用期間によってのみ上がる仕組みとなる。ドコモポイントは100円単位ではなく1000円で5ポイントからのスタートに。15年以上の長期契約が条件のグランプレミアステージでは1000円につき25ポイントが付与される。ドコモのクレジットサービス「DCMX GOLD」に契約することで、新設されたゴールドステージに上がることができ、1000円に100ポイントという高い付与率を受けることもできる。
この改定について、NTTドコモ マーケティング部 ロイヤリティプログラム・アライアンス担当 渡部公輔氏は、「ドコモを長期ご利用いただいているお客様やDCMX GOLD会員様へのステージの新設、各種サービスをご利用いただいているお客様にはより多くのポイントが貯まるポイントプログラム体系の構築、プレミアムクーポンやスペシャルクーポンなど会員様向け優待サービスの拡充を図っています。ドコモの携帯電話をより快適にご利用頂くことや、ドコモの色々なサービスをご利用頂いているお客様にたくさんポイントが貯まるように見直しをさせて頂きました」と説明。さらに、「ドコモ継続利用期間10年超のプレミアステージ以上のお客様には、今までのクーポンに加え、レジャーやエンターテイメント系の特別優待価格のクーポンをご用意しています。ドコモ継続利用期間15年超またはDCMX GOLDをご契約のグランプレミアステージのお客様には、国内テーマパークの入場券、国内ご当地の最高級ホテルでのディナー&宿泊など、プレミアムクーポンプレゼント(抽選)をご用意しました。ポイント付与率、会員優待サービスともに、長くドコモをご利用いただくほど、おトクな会員サービスとなっております」と長期契約ユーザーの優遇を強調した。
現状のプレミアクラブについては、「5350万人のお客様にご加入いただいており、“ドコモクーポン”や“ドコモポイント”の情報が満載の“ドコモプレミアクラブ・サイト”のページビューは毎月約1億、特にカフェなど日常生活で利用できる“ドコモクーポン”は好評で毎月数十万件以上の会員様にご利用いただいています」とのことだが、各社MNPで激しい争いを繰り広げる中、一歩踏み込んで長期契約ユーザーを優遇し、自キャリアへの定着を狙いたいところだろう。
iPhone発売以降、端末面での差が無くなり、その他要素でキャリアが選ばれるようになってきた。上記ポイントプログラム意外に、どんなサービスが選択の決め手となりうるのか。渡部氏は、「スマートフォンはとても高価なものであり、アフターサービスの手厚さもお客様がキャリアを選ぶ決め手の一つ」とする。ドコモでは、電話機のトラブル時に電話一本で交換電話機を届ける「ケータイ補償 お届けサービス」を以前から展開しており、約3700万契約と好評を博していた。発売当初は対応サービスがなかったiPhoneについても、2013年12月19日に「ケータイ補償サービス for iPhone」としてサービス提供を開始している。iPhone 5sの場合月額630円、5cであれば月額525円で加入でき、水漏れ・全損・紛失・盗難・故障・購入から1年を超えた場合の自然故障が対象となる。
その「ケータイ補償サービス for iPhone」について、サービス開始後の反響を聞くと、「サービス提供開始直後から、『ドコモがiPhone向けの手厚い補償サービスを始めてくれて本当に嬉しい』『これはすごい。これだけでもドコモを選択する価値がある』という賞賛の声を多数いただきました。iPhoneを販売している現場からは、『他キャリアと比較してもiPhoneに対する補償が一番厚いことを乗り換えの決め手にしたというお客様が一定数いる』という話を聞いています」と、かなり好評で、手応えを感じているという。以前、同サービスの開始直後にSNS等で反響を拾ったところ、「月額650円は決して安くない」といった慎重な意見もある中、「やっとサービスが揃ってきた」「必要な人にはありがたい」など好意的な意見の方が多く、確かにキャリア選択のきっかけの一つになっていると感じた。
今回取り上げたポイントプログラムや補償サービスに加え、LTE等の通信環境、各種キャンペーンなど、今後はキャリアとしての総合力がますます問われるようになってくる。各キャリアのサービス改定や新サービス導入に引き続き注目していきたい。
《白石 雄太》
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