第37回日本アカデミー賞……『舟を編む』に作品賞
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今年は史上最多の6作品が優秀作品賞を受賞。アメリカの本家アカデミー賞外国語映画賞の日本代表作品で、ここまで第68回毎日映画コンクール日本映画大賞、第38回報知映画賞作品賞、第26回日刊スポーツ映画大賞作品賞など賞レースを引っ張ってきた『舟を編む』を始め、第66回カンヌ映画祭で審査員特別賞受賞の『そして父になる』、山田洋次監督の『東京家族』、妹尾河童の大ベストセラーを映画化した『少年H』、実際の事件を元にした『凶悪』、市川海老蔵が千利休を演じた『利休にたずねよ』と高評価の作品が名を連ねたが、『舟を編む』が前評判通りの強さを見せた。
録音賞、編集賞というスタッフ部門に続き、三浦しをん著の原作に翻案を加えつつ脚本化した渡辺謙作が最優秀賞脚本賞を受賞。さらに、こちらも賞レースを引っ張ってきた松田龍平が最優秀主演男優賞、そして石井裕也監督が最優秀監督賞、そのままの勢いで最後に発表された作品賞も受賞し6冠に輝いた。
作品賞がコールされると石井監督、松田さん、優秀主演女優賞の宮崎あおい、優秀助演男優賞のオダギリジョー、新人俳優賞の黒木華、そしてスタッフ陣が全員壇上へ。先の最優秀監督賞受賞の際に「松田さんにどうしても(主演男優賞を)勝たせたかった」と自身の受賞ではなく、同い年の盟友・松田さんの受賞を喜んでいた石井監督。作品賞の受賞が決まった際には「みんなで作った映画です」と改めてスタッフ・キャスト陣への感謝を口にしていた。
松田さんは「個人賞も嬉しいけど、作品賞は一番嬉しい」と喜びを仲間たちを分かち合い、宮崎さんも「想像していた以上に嬉しいです」と満面の笑みを浮かべていた。
福山雅治主演、是枝裕和監督の『そして父になる』は真木よう子の助演女優賞、リリー・フランキーの助演男優賞の2部門で最優秀賞を獲得した。真木さんは『さよなら渓谷』で最優秀女優賞にも輝き、女優部門2部門同時制覇を達成。第2回(1979年)の大竹しのぶ(『事件』『聖職の碑』)以来、2人目の快挙となった。
最優秀アニメーション賞は、引退を表明した宮崎駿監督の最後の作品となった『風立ちぬ』が受賞し、鈴木敏夫プロデューサーが壇上に上がりトロフィーを受け取った。
【第37回日本アカデミー賞受賞一覧】
最優秀作品賞:『舟を編む』
最優秀監督賞:石井裕也監督(『舟を編む』)
最優秀主演女優賞:真木よう子(『さよなら渓谷』)
最優秀主演男優賞:松田龍平(『舟を編む』)
最優秀助演女優賞:真木よう子(『そして父になる』)
最優秀助演男優賞リリー・フランキー(『そして父になる』)
最優秀脚本賞:渡辺謙作(『舟を編む』)
最優秀アニメーション作品賞:『風立ちぬ』
最優秀外国作品賞:『レ・ミゼラブル』
最優秀音楽賞:久石譲(『風立ちぬ』)
最優秀撮影賞:笠松則通(『許されざる者』)
最優秀照明賞:渡邉孝一(『許されざる者』)
最優秀美術賞:吉田孝(『利休にたずねよ』)
最優秀録音賞:加藤大和(『舟を編む』)
最優秀編集賞:普嶋信一(『舟を編む』)
話題賞・俳優部門:若林正恭(オードリー/『ひまわりと子犬の7日間』)
話題賞・作品部門:『真夏の方程式』
『舟を編む』に日本アカデミー賞! 松田龍平が主演男優賞、真木よう子は女優2冠の快挙
《text:cinemacafe.net》
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