ある男の“黒い”人生を表現したアンベル【14-15AW東京】
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ラインハートは「ブラックペインティング(Black Paintings)」と呼ばれる黒い正方形のドローイング作品で有名。その作品は一見真っ黒だが、様々な色の最暗トーンを組み合わせて描かれており、奥行きのある「黒」を見せる。
発表されたリアルなウエア群には分かりやすくラインハートの意匠が落とし込まれた。タータンチェックやギンガムチェック、市松模様などの格子柄、アイテムのフロントに象徴的に付くスクエア型ポケットに姿を変えた。サテンを編み込み光の反射で異なる表情を見せるドレス、カーリーなファーブルゾンなど素材でも奥行きのある黒を見せる。その奥行きは表面的なものではなく、ボンディングのコートドレスなど構造面にも反映されている。
また、「彼の代表的作品だけでなく、人生からインスピレーションを受けた」(門野氏)というように、ラインハートが戦争に関係する旗や紋章などをデザインしていた時期も要素の一つ。エンブレム柄とチェックを組み合わせたジャカード生地、トレンチコートなどミリタリーテイストのアイテムが製作された。それらを着用するトルソーのヘアスタイルはヘルメットをモチーフにしたという。
シルエットはハイウエストでマークされ、ラインハートが活躍した60年代の雰囲気が漂うがそこまで意識していないという。
「今回は黒を美しく見せたかった。他の色はすべて黒を引き立たせるため。彼のアート人生を表現したコレクションだ」と門野。テーマ通り1ファクターで交響楽を奏でた。
《編集部》
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