NTTの独占は許せない!……65事業者が総務省に要望書
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要望書の要点は大きく3点ある。
1)NTTグループの支配力は依然として大きいにもかかわらず、総務省はNTTグループに対する規制を緩和する方向で検討をはじめたとされる。具体的議論が進む前に、議論の方向性が決まっているとすればきわめて遺憾だ。
2)これまでNTTに対しては、料金の低廉価、サービスの高度化・多様化やそれに伴う国民利便向上を図るため、巨大な独占組織を分離・分割するなどの構造的な措置がとられてきたが、当該規制が緩和された場合、NTTグループの実質的な再統合・独占回帰となり、公正競争確保が困難に
3)これまでの政策の包括的な検証を十分に実施したうえで、必要な措置を講じることを要望
この日は都内で記者会見が行われたが、ここでは会見に登壇したKDDI理事 藤田元氏、ソフトバンクモバイル常務執行役員 徳永順二氏に対する囲み取材の主な様子を紹介する。
――規制を緩和しつつ独占につながるような行為を禁止する、という流れは許容できないのか?
藤田氏:規制緩和は当然の流れだと思っている。ただひとつ忘れてはいけないのが、NTTグループの一体化を助長するようなものがいいのかということだ。
徳永氏:公平な競争環境を維持されてはじめて今のサービスがあると思う。資料でも説明したが、固定電話とかFTTHのシェアが70%以上で、かつ携帯も持っているという国は先進国ではない。そういう環境で、固定電話もFTTHも携帯も排他的に統合したサービスができるようになるのは、最終的にはお客様のためにならないのではないか
――NTTが今の形でいいかという議論はずっとある。2020年に向けて~というのであれば、そこを主張してもいいのではないか?
藤田氏:公正な競争条件を確保するという視点で(各社に)賛同いただいている。NTTの組織論は別だが、特別部会・委員会では当然議論すべきだと思う。
――(今回の会見は)総務省をけん制するという意味なのか?
藤田氏:あたかも決まったことのようなところからスタートするのは違うのではないか、ということをアピールしたかった
――報道は1月からずっとでている。この時点で緊急会見みたいなことをするのは段取不足で、普段からの主張が足りないのではないか?
藤田氏:私どもとしては昨年から主張してきたつもりだ。ただ最近になって報道が増えてきた。来週から各事業者のヒアリングがはじまるので、フェアに議論してもらいたいということで1週間前のタイミングで要望書を出した。
――セット割があれだけ好調だったということもあるのでは?
藤田氏:そんなにシェアには貢献していない。われわれはやっとスタートにたてたかなと。
――ドコモへの禁止行為規制は、NTTグループだからではない。移動体におけるシェア率に関して規制されていると思うが、そのなかでドコモのシェアを減ってきているのは一定程度の説得性があると思うが
藤田氏:欧米を見てもシェアそのもので事業の独占性を計るようなことはほとんどない。ただ、1位のドコモと2位、3位とのシェアの差は17.5%ある。こんな国はどこにもない。競争政策をうっているので、トップのシェアが落ちるのは当然だが、そこの差がなかなか縮まらない。しかも、固定(FTTH)で72%のシェアをもっているところと一緒になるのでは、いかがなものか?
――10年先のことを考えた提言はないのか?
70数パーセントのシェアは5年のレンジで全然変わっていない。ドコモ単体の議論はもちろんあるが、グループ全体として70%を超えるようなマーケットをいくつももって、なおかつ統合サービスをしようというのは、競争環境をゆがめるリスクがあると思う。
――お客さんからすると、固定と携帯を使っていて割引されたら、そのほうがいいということになると思うのだが
藤田氏:短期的にはそれでいいかもしれない。しかし、お客さんの流動性がなくなり、長い目でみるとサービスが多様化しない、料金が下がらないというデメリットがでてくる
――ネットも含めて業界のプレイヤーというのはインフラ事業者だけではない。OTTと呼ばれるようなレイヤもかなりの支配力もっているのではないか。その辺が、今の主張では踏まえられていない。となると、(今回の主張が)現実にあっているのだろうかという懸念ももってしまう
藤田氏:OTTレイヤをどうするんだとかいう議論はある。また、海外勢がはいってきて、国内どうするんだという心配もある。それは多分15日にいろんな話をすることになるだろう。しかし、トータルで5~6千万の加入者があるグループは、このままの形だと脅威ではある。
《RBB TODAY》
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