O2OやNFCはもう古い……PayPal Hereが変える購買スタイル
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「PayPalは、EC決済に特化した企業ではありません。たとえば、世界中のEC市場は1兆ドルといわれていますが、リアル店舗の市場は10兆ドルです。人々が物を買うという点について、オンラインやリアルといった区別に意味はないと思っています。PayPalではコネクテッドコマースと呼んでいますが、ショッピングに対して新しいサービスや体験を提供することが重要と考えています。日本ではおサイフケータイが普及していますが、PayPal HereはNFCは必要ありません。だれでも、どんなデバイスでも対応できるので、利用の自由度は高いといえます」
と、PayPalの戦略とPayPal Hereの特長を説明してくれた。なお、PayPal HereアプリはiOS 7以上、Android 2.3以上に対応している。店舗側のアプリもPayPalの企業アカウントがとれれば、個人でも利用できるそうだ。
PayPal Hereが向いている店舗や業態は、コーヒーショップや飲食店とのこと。少額決済であり、支払での利便性をアピールしやすい。ヤマダ電機との協業は、市場での反応を見ながら最適なサービス方法も調査することと、PayPal Hereの便利さをアピールすることが第一の目的であり、売上などの数値目標はとりあえず設定していないそうだ。ヤマダ電機は、サービス向上につながるのならと前向きに評価してくれたという。
ところで、支払が簡単になるのはうれしいが、昨今、この手のサービスはセキュリティやプライバシー情報の扱いについての懸念も取り沙汰されている。杉江氏によれば、「決済情報はPayPal側で処理されるので、店舗側とカード番号などを共有しているわけではありません。顧客側アプリも起動にログインパスワードが必要なので、落としたり盗難などで悪用される可能性は抑えられます」とのことだ。
つまり、アプリ登録時に入力するカード情報などは、PayPalのサーバーに管理されるだけで、店舗側のアプリは顔写真と名前と決済金額だけを扱う。どのカードを使ったかの情報を店舗側が直接知ることはないとのことだ。これらの情報を店舗が把握するには、従来のPOSレジやポイントカード処理などで把握する必要があるだろう。むろんこれをもってパーソナルデータは安全とはいいきれないが、アカウント情報の管理、履歴データ等の無断利用(交換・販売)がなければ、オンラインでカード決済するのと危険度は大きく変わらないともいえる。
パーソナルデータの扱いには慎重を期してほしいが、うまく運用されれば買い物は確実に便利になるだろう。すでに、英国のアパレルショップでは、顧客が気に入った商品をそのまま自分でタグをスマートフォンのカメラで読み取り、購入・決済し、カウンターで梱包や包装だけしてもらい店を出る、という取り組みも行われているという。コーヒーショップなどでは、店に向かいながらチェックインして注文、支払まで行い、店舗では出来上がった飲み物を受け取り、飲み終わったらそのまま店を出るということも可能になる。
オンライン、リアルともにショッピングや消費のスタイルは変わりつつあるようだ。
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