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もともと同社は、1997年にシリコンバレーに設立されたチップメーカーで、DVDドライブのLDD(レーザーダイオード駆動)ICのリーディングサプライヤーとして、世界で50%以上のシェアを持っている。その技術を武器にサイネージ分野にも進出し、高機能・高精細なLEDディスプレイを開発したという。
デモが行われていたのは、110インチ(LEDピッチ1.9mm)、または165インチ(1.5mmピッチ)でLEDを配置した巨大スクリーンだ。1.5mm角の3色(RGB)LED素子を全面に敷きつめてディスプレイにしたもので、一般的なLCDと比べて輝度が高く、外光にも強い。また自由なサイズで一枚面をつくれるというメリットもある。サイズはどのくらいでも対応できるが、コストとの兼ね合いになるそうだ。たとえば110インチ相当が1500万円、165インチ相当が4700万円と、なかなかの値段だ。
同社のLEDディスプレイは、競合他社と比べても大きなアドバンテージがある。その理由は、持ち前の技術でLEDのコントロールを最適化しているからだ。色ムラがないように、1つの1つのLED素子をキャリブレーション(校正)し、それらのデータ(たとえば110インチならば1280×720ピクセル×RGB3倍ぶんのデータ)をチップに記憶させる。そして各LED素子の電流値を微妙に変えているのだ。
もう1つの特徴はLEDの駆動方式だ。通常ではコモン・アノード方式を使っている競合他社がほとんどだが、同社ではコモン・カソード方式を採用。これによりLEDに電流を流す際の回路抵抗が不要になり、余計な熱を発生させない。消費電力も少なく、ファンも不要だ。さらに熱によるLEDの劣化も防げるので、全体的に寿命が延びる点も大きなメリットだという。
《井上猛雄》
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