インフォセック社長、コンサルティング視点からみた情報セキュリティ
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
今後事業を展開する上での課題はどうだろうか。廣中氏と菅原氏は、エキスパート人材の不足が直近の課題だと口を揃える。インシデントの対応やフォレンジックなど、分析や解析が必要とされる場面で、適切な判断を下せる人材が不足しているというのだ。
なお、人材育成は業界全体の課題でもある。現在、官民共同で若手エンジニア育成のため、ハッカソンやCTFなどの取り組みが盛んだが、これらのイベントやプログラムは、ともすると、ハッカーやアタックといったキーワードが先行して攻撃側の視点へ偏ってしまう。これについて廣中氏は「攻撃は最大の防御」と言われる通り攻撃手法を熟知することは重要だが、同時に「守る側」の技術とノウハウを磨くことを忘れていけない。例えばハードニングや、攻守に分かれた演習など、攻守バランスの取れた人材育成手法が相応しいのでは」と持論を語った。
また、人を育てて増やすだけではなく、システムを防御する要員の負荷を減らすことも重要だといい、検知ルールや分析のためのナレッジなどを蓄積することで、従来、プロのセキュリティ技術者が経験に基づき判断していた部分を、いかにシステムで自動化・効率化するかという点にも注力するという。
●NECとの共同経営体制
インフォセックは2014年3月からNECと三菱商事の共同経営体制となり、二人三脚で経営にあたっている。同社では、今後の事業計画や課題についてどのように考えているのだろうか。最後にこの点について聞いたところ、廣中氏は次のように答えてくれた。
「NECとの資本提携を機に、両社が持つ顧客基盤などの得意分野を積極的に活用するだけでなく、NECの持つ情報セキュリティ基礎技術や人材を積極的に活用して、セキュリティ人材の育成を一層強化していきたいと思っています。そして、国内の技術基盤を成長させ、海外戦略も進めていきたい。とくにアジア諸国はIT化のスピードが速く、政府もサイバーセキュリティに力を入れていますので、積極的に進出していきます」
今後の同社の取り組みに期待したい。
《中尾真二》
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