【インタビュー】緑川光&関俊彦・後編 「ガンダムW」ヒイロの女性観、デュオの女性観
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後半はヒイロとデュオのキャラクターの対比、そして女性キャラクターとの関わりかたなどを演じていた立場から伺った。さらに新たに収録された新作ドラマCDの話題も。意外な話も飛び出すなど読みどころたっぷりだ。
[インタビュー聞き手:小林治、構成:アニメ!アニメ!編集部]
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』
Blu-ray Box 4月25日発売
■ 寡黙なキャラクターと喋るキャラクター
―先ほど人気投票の話が出ました。5人の中でライバル意識や対比する気持ちはありましたか?
ヒイロとデュオであれば、寡黙なキャラクターと喋るキャラクターという印象があります。
―関俊彦さん(以下関)
でも、本当はいちばんしゃべるのは張五飛です。無口風な人ですけど、よくしゃべるんですよ。だいたいひとり言でナタク(シェンロンガンダム)にしゃべっている(笑)。そうするとやっぱりヒイロとトロワが無口系だよね。
―緑川光さん(以下緑川)
カトルもしゃべらないこともないですからね。
―関
シリーズの半ばあたりまでは、ヒイロ以外の4人は出ていない回が結構あります。何話か空いて、次のアフレコといった具合です。
そうなると、いまどんな話になっているのか分からなくて。デュオがいたところしか見てなくてつながらない。放送観てみてどんな話になっているか理解したりしましたね。
―そうしたときは、アフレコの現場で緑川さんから、「実はこんなエピソードがあったよ」と説明があったりされるのですか?
―緑川
いや、説明できるほど簡単な作品じゃないのですから。自分でも説明しながら分からなくなって。(笑)
―関
みんな自分のことで精一杯なんですよ。あとでアニメ誌見て研究したりしました。(笑)
■ ヒイロの女性観、デュオの女性観
― おふたりのキャラクターには、それぞれヒロインがいます。ヒイロの横には必ずリリーナがいる。デュオはヒルデがいました。それ以外のキャラクターでも、それぞれ特定の女性がいる印象がありました。『ガンダムW』ではそうした女性が特に多いと思われますか?
―関
物語には恋愛もなくてはならないのを、作り手が分かっている。そこはきっと女性の視聴者も意識したんじゃないかな。女の子のハートをつかむには、絶対条件で恋がないといけませんから。
―デュオから見てヒルデはどんな印象でしたか?
―関
似たもの同士という印象がありました。危ないところを助けてくれたり、ふたりとも本当に素直な人たちで、まっすぐ自分の信じている道に進んでいく。自分の間違いに気づいたら、迷わず別な道にも歩いていける。そうした真っ直ぐさが似ていたと思います。
―緑川さんはリリーナについてはいかがですか?
―緑川
最近、ヒイロの変な行動が分かるようになりました。第1話で、あんなにいろいろできるヒイロが、リリーナに姿を見られただけで自爆して死のうとするのはおかしな話じゃないですか。これは初めて会ったときに運命の相手と思ったからこそなのだと。
いろいろとやらなければいけなくて地球に来ているのに。リリーナを殺せばいいじゃないですか。(笑)
殺さないといけない相手だけど、本能的に何か感じて自爆に向かったじゃないのかな。
―当時はそうは思わなかったんですか。
―緑川
当時はそこまで思っていなかったです。何度か繰り返し見て、考えてみたら、その行動力や知識があったら余裕でリリーナ殺せるよねと。
―言われてみると自爆する必要はないですよね。
―緑川
だから何か感じるものがあって殺せない。あの行動は、そうだったかなと考えています。
―あれはリリーナに対する恋心があったんですか?
―緑川
そのときは分からないですけど、本能で何を感じ取ったと。
―ヒイロは最後までリリーナにプロポーズみたいなことはしませんでした。
―緑川
なかったですね。いちばんはっきり行動に出たのは、テレビシリーズ第6話の「パーティー・ナイト」。殺さなければいけないと言っている時に、思いっきり守っていました。
―好きだとも言わないし、自分の彼女だ、みたいなこともないですよね。
―緑川
そういう少年時代を過ごさなかったから、表現の仕方が分からなかったのもあるのでしょう。
―関
観ている方も、ヒイロがどう思っているのかまったく分からない。でもリリーナもまたちょっと変わった人だから、ヒイロはわたしのことを絶対好きと、どこかで確信していたんでしょうね。だから、むしろリリーナ主導の恋愛関係なんじゃないですか。
それに比べるとデュオは分かりやすいですよ。
―そうした恋愛部分も、女性ファンが観て楽しかったのでしょうか?
―関
それは大きかったと思います。作品を好きになってくれた方たちの多くは、自分が何か投影できるキャラクターを求めるのだと思います。
―たしかに『ガンダムW』には、いろんなタイプのキャラクターも出てきます。気になる女性キャラクターはいますか?
―関
ヒルデ以外に思いつかないな・・・。あ、僕は昔からレディ・アンが好きだと言っています。清楚な方のレディ・アンです。『Endless Waltz』のときに出てきた、メガネを外した姿が素敵ですね。
――緑川さんは、どうですか?
―緑川
僕はノインですね。ずっと言っています。
― おふたりはずっとということですが、一方で当時観ていたときと、今ではキャラクターの見方も変わったりすることもあるかもしれません。
―緑川
さっきの僕のヒイロの行動に対する考え方も割りと最近です。
■ 新作ドラマCD収録であらためて演じたヒイロとデュオ
――今回Blu-ray特典として新作ドラマCD「プリベンダー5」が新たに収録されました。小説『新機動戦記ガンダムW Frozen Teardrop』につなげるストーリーになります。キャラクターのアフレコとしては少し間が空きましたが、これまでと違う感じはしましたか?
―緑川
毎年、ゲームなどで演じたりもしますので、むしろ間が空いていなくすぐの気がします。しかも、ヒイロは年齢的にも変わっていませんから。
―関さんはこのCDドラマで、ずいぶん台詞の量が多かったですよね。
―関
すごい説明役を任されちゃったので。ただわりとスッと入れました。
―関さんは、久々のアフレコ、キャラクターをやられていかがでしたか?
―関
僕はお父さんになってデュオとその息子をやらないといけなかったからこれが大変でした(笑)。ふたりで会話をするところもありましたので。もちろん、別々に録りましたけど。あまり親子の会話はやりたくないなと思いましたね(笑)。
―ご自分のなかで、親子のギャップ、ポイントはありましたか?
―関
あまりそれを意識して、今は老けているんだよ、という説明をするとデュオでなくなってしまうんです。だから、逆になるべく意識しないようにやりました。そのぶん、ジュニアの方を思いっきり元気よく演じました。
―最後に当時の『ガンダムW』、OVAシリーズ、ピクチャードラマを含めて、ご自分のキャラクターで印象的だった台詞やシーンを教えていただけますか。
―緑川
まさかのキャンサーに乗ったことです。まさかヒイロが乗るとは夢にも思わなかったので。びっくりです。それで、ヒイロの搭乗機のコレクションがひとつ増えてうれしかったです。
今回の『Frozen Teardrop』ですと、座標とか難しいなと思うような台詞でも、ヒイロが言っていると思うと、楽しく、ワクワクして演じられた、というのが印象的でした。
―関さんはいかがですか?
―関
「大丈夫だよな、そんな簡単にやられねーよな」とつぶやくところが一番印象的といつも答えています。コロニーに潜伏しているとき、自分が乗っていたデスサイズを標的機にされて壊される姿をモニターで観ているシーンですね。
あとは頑張ってデスサイズに乗って戦っているときに、コロニー側の放送で、OZと和解した我々にとって、OZと敵対しているガンダムはコロニーの敵だと伝えられるところです。「本当に孤独の戦いの中にいるんだな、この5人は」というのを見せつけられたことが印象に残っています。
デュオって、何故かいつも痛い目に合う役回りで・・・。ヒイロにまでよく殴られたりしていました。やっぱり主役には勝てませんね(笑)。
『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』Blu-ray Box
4月25日発売
緑川光、関俊彦インタビュー後編 「ガンダムW」ヒイロの女性観、デュオの女性観
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