【物欲乙女日記】入り口は男らしく後味はフェミニン、こだわりの新ジャンル飲料を試す
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飲んだのはサッポロビールの「ホワイトベルグ」。ライオンモチーフが描かれている、ちょっと外国っぽい雰囲気の珍しいデザインの青い缶です。ビールではなくリキュール(発泡性)(1)分類※ですが、「ベルギーホワイトのような」というキャッチフレーズ。「ベルギーホワイト」が何だかよく分からないまま、というか、まずは何も考えずに5月の風に吹かれる中3人で乾杯しました。
「うーん、なんか、お洒落な味?」。普段飲んでいるビールよりも軽い感じで花みたいな良い香りがします。友人も「さっぱりすっきりしてる」という感想。実は私、ビールがあまり得意でなく、1缶飲み干すのも頑張らないとできないのですが、これは味の引っ掛かり(おそらくビール好きな人にとっての醍醐味である“コク”だとか“苦み”だとかだと思うのですが)が少なくてスルスルいける。
と、そこへ友人がもう1人登場。「入り口が男らしいホワイトエールって感じだね」と評しました。ホワイトエールって何? 男らしい? 「ホワイトエールは、ピルスナー(一般的なビール)より麦くさくないフェミニンな味で、私のイメージ的には男が女に『これ、飲みやすいから飲んでみなよ』って勧めて『ほんとだ、飲みやすい~』ってなる、口説くための飲み物って感じ」。へ、へえ~!!
続けて缶の原材料表示を凝視して「あ、やっぱ小麦も入ってるんだ。コリアンダーとオレンジピールも。一般的なホワイトエールの原材料でできてるんだね。“ビール”って呼ばれるものは大麦とホップだけで造るもので、ドイツではほとんどビールしか飲まれないんだけど、ベルギーではほかの材料も入れたものもよく飲まれてて、たくさん種類があるんだよ。だからこれ“リキュール(発泡性)(1)”表示なんだね」。へえぇ~! ベルギービールの製法にこだわったのか。「一般的にホワイトエールってもっと軽いけど、これはそこまで軽くなくてベースがピルスナーっぽいね。トーンが落ち着いてるけど、後味に華やかさを残した味わいって感じ」。へえぇ~~! もう「へえ~」しか言ってませんが……。
つまり、ビールを飲み慣れている人にも親しみある飲み応えがありつつ、いっぽう私みたいなビール初心者にも受け入れられる飲みやすさがある新ジャンルのお酒、ということじゃないでしょうか。ぜひ「ちょっと飲もっか」と外飲みに誘い、爽やかな風に吹かれながらさり気なく距離を縮める小道具にしていただけたらと思います。と、口説くことに焦点を当てすぎましたが、もちろん普通のときでもどうぞ。風と緑と青空が似合う軽やかなお酒だと思います。
今回、「お洒落な味でした」というフレーズしか出てこないレポートになるところでしたが、ビール通の友人のおかげでぐっと奥行きが増した酒レポになり、胸を撫で下ろしています。
※(1)は正確には丸数字
《奥 麻里奈》
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