【インタビュー 山田孝之×窪田正孝】役柄は「ウシジマとそれ以外」……『闇金ウシジマくんPart2』
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
窪田:俳優という仕事をさせてもらってますが、何の先の保証もなくて、ある意味で“水商売”だと思うし、いまを頑張らないといけないという意味ではホストと似ている部分はあるのかなと思います。“覚悟”というと大げさですけど「この世界で生きていく」という思いを持ってやっていくところは同じなのかもしれませんね。
俳優として上を目指す。窪田のそうした気持ちのきっかけになっているのは、同じ事務所の先輩でもある山田の存在だという。
窪田:こんなこと言うと「後輩だから」と言われそうですけど、僕は山田さんの出ていた「白夜行」が本当に好きで、いつか一緒に仕事をしたいという気持ちをずっと持ってたんです。今回の麗じゃないけど、一緒に事務所に入った同期もずっとそういうことを言ってて…。だから『十三人の刺客』、今回と一緒に仕事をさせてもらえて、ひとつ目標が叶いましたね。
2人が直接、顔を合わせるシーンは決して多くないが、短いやり取りが後に大きな意味を持つ。ウシジマの事務所で金を借りようとする麗だったが、ウシジマは返済能力がないとみなし、首をタテに振らず「お前、何でホストになった?」と問いかける。この問いが麗を変えるきっかけのひとつとなる…。
窪田:山田さんが演じるウシジマは肝が据わってて、共演してみて表情もすごく好きだし、目力や佇まいからセリフを口にしなくても伝わってくるものがあって、勉強させてもらいました。事務所のシーンは朝早くて、僕自身ちょっとボーっとしてて(笑)問いただされた時、山田さんの目をじっと見てたのを覚えてます。あの空間、社長の席の前に行くと、見透かされてしまうような感じがすごくあるんです。メガネの奥からドンとくるものがあるんですよ。
クールな役柄から、チャラい若者まで作品ごとに変幻自在に演じ分ける窪田。「一番重視しているのは、現場でいい意味で力を抜くこと。肩に力が入ってしまいやすいので、自分の家にいるような状態で、現場で監督に色付けしてもらう意識で臨んでます」と自らのスタンスを明かす。麗を変えたウシジマのひと言のように、俳優人生で掛けられた忘れられない言葉は?
窪田:20歳の時に三池崇史監督と「ケータイ捜査官7」でオーディションで役をいただいたんですが、その作品で「10年後に会おう」とサラッと言われたのを覚えてますね。「10年後、どうなってるのか楽しみだ」って。僕は「あ、10年会えないのか」と受け取って(笑)、それまで生き残っていられたらいいなと思ったんですが、そうしたらその半年後に『十三人の刺客』でまたご一緒させていただきました(笑)。
見る側だけでなく、俳優にとっても「闇金ウシジマくん」は大変ではあるが、個性的な役柄を演じられる「出てみたい作品」だという
窪田:大変は大変でした。楽しかったのはもちろんですが、(門脇)麦ちゃんとのシーンも1カットで台本4ページ分くらいの長ゼリフがあったり、ボコボコにやられるシーンもあったのですが、そこも1回で決まらずに4回くらいやって「もっと顔に」と言われたり(苦笑)。
山田:20代前半の俳優が出ることが多いので、やべ(きょうすけ)さんとも「このシリーズは若手俳優の登竜門になるね」って話してた(笑)。
窪田:そう思います。特に男が憧れる役だし、この作品で磨かれていく部分が多い。これから出てくる若い俳優さんも「出てみたい」と思う作品だと思います。
《黒豆直樹》
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