井上雄彦、伝統文化を体験し「腰が痛い…」 ギネス超えの“巨大和紙”作りに挑戦!
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土地に根差した伝統技術を大切にしたガウディに倣い、5月23日(金)、井上さんは“平成長尺大紙”を制作するため福井県・越前へと赴き、職人の指導を受けながら、1,500年以上の歴史をもつ手漉き和紙を自らの手で作り上げた。
越前和紙は、美しさ・丈夫さから“紙の王様”と呼ばれ、水にも強く、「黒透かし」などの技術にも優れていた紙漉き文化の結晶とも言える日本の伝統文化。今回、井上さんが訪れた上山製紙所がある越前市・岩本町を始め、大滝町、不老町、定友町、新在家町からなる五箇(ごか)と呼ばれる地域は、日本で唯一の紙祖神を祀る岡太(おかもと)神社・大瀧(おおたき)神社など古き良き街並みが残り、冷たくきれいな湧水を有する紙漉き文化の町として知られている。
この日、井上さんはギネス登録にも登録されている「IMADATE 平成大紙」(高さ7.1m×幅4.3m)を25年ぶりに面積で上回る高さ3.3m×幅10.7mにおよぶ「平成長尺大紙」の制作に挑戦。
漉き手を鼓舞する太鼓が始まりを告げると、“紙漉き唄”に合わせるように、井上雄彦氏と柳瀬彦左衛門氏(上山製紙所・代表)を含めた総勢20人で原料となる楮(こうぞ)を木の棒を使って練り混ぜる。
井上さんたちは「すくいます」「返します」と声を掛け合い、額に汗を浮べながら重い簀(す)をおよそ50往復ほど上げ下げし、ようやく「平成長尺大紙」が完成した。
実際に手漉き和紙作りを体験した井上さんは、「腰が痛い…。思ったより大変でした。柳瀬さんから手は添える程度でよいと指導されていたんですが、波の勢いがすごくて。そんなこと言ってられなくなりました」と伝統技術の大変さを肌で感じた様子。
この「平成長尺大紙」は展覧会に展示される作品に使用されるものだそう。「今回、和紙の制作から手がけたいと思ったのは、紙の材料や水の力も活用した絵を描きたいと思ったからです。そして、ご縁があって越前に来て和紙を漉かせていただいて改めて感じたのは、この伝承されてきた文化を大切に残していかなければならないということです。展覧会に向けて、この大きな紙にどんな絵を描くかは、紙が大きすぎて、まだ僕の視界に入りきっていないので分かりませんが、これからこの紙と対話を続けながらガウディの世界観の創出に取り組んでいきたいと思っています」と今後の創作活動に意欲を漲らせていた。
「特別展 ガウディ×井上雄彦 -シンクロする創造の源泉-」は7月14日(土)より9月7日(日)まで森アーツセンターギャラリーにて開催。その後、金沢21世紀美術館、長崎県美術館、兵庫県立美術館、せんだいメディアテークなど10月から来年7月まで各地を回る予定。
《text:cinemacafe.net》
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