【SoftBank World 2014】「情報武装」と「ロボット」で日本を復活……孫社長
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ソフトバンクでは全社員を「情報武装」したことで、国内企業の成長が横ばいを続ける中で、社員一人あたりの生産性が倍増したという。クラウドの活用について孫氏は、ソフトバンクではビッグデータを経営に徹底活用しているとした。その一例として、ネットワーク接続率の向上施策について触れた孫氏は「電波改善のために500億レコードを獲得して、接続率を高めてきた。例えば地域別だけでなく機種別、時間帯別で細かく把握を把握しながら獲得したビッグデータを元にして、インテリジェントに問題を解決している。言わばネットワークの問題をピンポイントで探し当てて解決してきたことで、少ない資本ながらも他社を一気に引き離せた」と胸を張る。
ビッグデータ活用のビジネスプランにつては、今後米GE社との業務提携により車の走行管理システムへと拡大していく。世界中の乗用車や飛行機、トラクターなど業務用車両の走行・メンテナンス情報をビッグデータとして集めるためのセンサーを導入し、通信システムを構築してクラウドで解析する。「車両に関連する情報を可視化することで、適切なサービス提供とこれに関連するビジネスを活性化させ、引いてはドライバーの安全を守ることができる。このようなビッグデータ解析サービスを様々な企業に提供していきたい」と孫氏はビジョンを説明した。
■日本の労働人口の課題を解決する秘策は「ロボット」
日本経済の復活に必要なもう一つの要素となる「労働人口の拡大」について、孫氏はさらに持論を展開する。「もう一つの難しい問題が労働人口を増やすことだが、日本の労働人口はこのまま行けば減る一方。これを解決することはとても難しい。解決策はあるのだろうか。私は今日ここで嘘のようなほらを吹きたい。それは、テクノロジーの進化で労働人口問題も解決できるという話。具体的には“ロボット”だ」
現在の日本が抱える課題は、人口が少ないのに人件費が高いということ。これを解決する秘策が、ありとあらゆる用途に使える汎用型のロボットを一気に企業のものづくりの現場に普及させることだと孫氏は述べる。「現在1,000万人いるといわれている国内の製造業人口に、3人分働くことのできる産業用ロボットを3,000万台導入して製造業の人口に加えれば、日本の労働人口は1億人に増える。日本は世界最大の労働人口大国になれる。日本の労働賃金が高いと言われているが、多機能型の汎用型ロボットを100万円でつくることができれば、月額の人件費も世界最安になるだろう」
これからはロボットが単純労働を担うことで、人間は付加価値労働に集中ができて生産性も向上するだろうというのが孫氏の見方だ。さらにロボットがクラウドにつながり、人工知能を搭載することが大事だという孫氏は、先頃発表したパーソナルロボット「Pepper」を壇上に招いた。
《山本 敦》
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