ガンCEO「まだスマホを持っていない人に」……ワイモバイルの料金と端末
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
イー・アクセスとウィルコムの経営統合により誕生した同社は7月1日から社名を変更し、ワイモバイルとしての事業をスタートさせた。具体的なサービスや商品に関する内容が明らかにされた機会は今回が初めてとなる。
記者発表会の壇上に立ったエリック・ガン氏は、日本国内でのスマートフォン普及率が「53.5%」と、シンガポールや韓国、イギリスなどIT先進国よりもかなり遅れていることを指摘。「スマホをまだ持っていない人にも楽しく使ってもらえる商品とサービスを提供していく」と宣言し、いわゆるレイトマジョリティー層のスマホ・ユーザー獲得に意欲を示した。
ワイモバイルの基幹事業は、ウィルコムで約550万のユーザーを獲得してきたPHSと、イー・アクセスで約450万のユーザーを獲得してきたデータ通信端末、および同社にとって新規領域となるスマートフォンの3つで構成される。本日は各カテゴリーの新製品が発表された。
スマートフォンはHuawei製の“STREAM S”「302HW」と、京セラ製“DIGNO T”「302KC」の2機種。8月1日に先行発売されるSTREAM Sは、6.8mmの薄型メタル筐体を採用。重さも110gと軽量化を図った。ディスプレイは約4.7インチの1280×720画素HD表示に対応。1.6GHzクアッドコアCPUを搭載する。DIGNO Tは9月に発売が予定されている4.5インチの960×540画素QHDディスプレイを搭載。CPUは1.2GHzクアッドコア。防水/防塵/耐落下衝撃対応も特徴としている。
スマートフォンのSIMフリー対応について、ガン氏は「STREAM SがSIMフリー仕様。DIGNO TはSIMロックをかけている。イーモバイル製のスマートフォンはSIMフリーで販売されてきたが、これらは継続してSIMフリーで展開する。今後もできる限りSIMフリーの方向性は継続したい」とコメントした。
スマートフォンの料金プランについては既報の通りだが、8月1日から新しく「スマホプラン」がスタートする。1ヶ月間に使用できるデータ通信量ごとに「S/1GB」「M/3GB」「L/7GB」の3つが用意され、それぞれの税抜き価格がS/2,980円、M/3,980円、L/5,980円とシンプルに構成されている点が特徴だ。どのプランにも1回10分の国内通話が月300回まで利用できる通話パックが付いてくる。ほかにもスマホプランを対象に、月額1,000円を追加すれば国内通話が定額で利用できる「スーパーだれとでも定額」がオプションとして設けられている。
なおデータ通信量が当月分のリミットを超えた場合は、送受信時速度が最大128kbpsに低速化するが、500MB/500円の解除料金を支払うことで通常速度での通信が利用できるようになる。
新料金プランの戦略についてガン氏は、「国内でスマートフォンの所有率が上がらない理由の一つは、大手キャリアが提供する既存の料金体系がわかりにくいこと。基本使用料、Web接続料、データ通信量といくつものレイヤーが分かれているし、データの使用量がユーザーにみえにくくなっている。ワイモバイルの料金体系は、とにかくシンプルにすることを最優先した。これからスマートフォンを持ちたいと検討されている方に、とても加入しやすいサービスになっているはず」と語り自信をみせる。
スマートフォンのユーザー向けにはさらに、「Yahoo! JAPAN」との各種連携サービスも発表された。内容は、Yahoo! JAPAN IDで「My Y!mobile」にログインすれば、容量無制限のY!Mobileメールが利用できるほか、クラウドストレージYahoo!ボックスのスペースが30GBまで使えるというもの。Yahoo!ウォレットとの連携も検討されている。ガン氏は「S/M/Lすべてのスマホプランのユーザーが無料で利用できる」ことがサービスの特徴だと説明する。
また「パケットマイレージ」のサービスでは、Yahoo! JAPAN IDでログインした状態で端末にインストールしたYahoo! JAPANアプリからトップページにアクセスすると、1日1回“マイレージ”が獲得できる仕組み。5日間連続でアクセスすれば最大200マイルが加算される“パケくじ”も実施する。貯まったマイルはデータ通信容量の解除料金などに割り当てることができるようになる予定。
PHSはカラバリが豊富な京セラ製“STOLA”「301KC」と法人向けモデルの日本無線製“BISINESTA(ビジネスタ)”「301JR」をラインナップした。PHS製品の訴求ポイントについてガン氏は「省電力・ロングライフバッテリーが重要なセールスポイントになる。軽量コンパクトで、1週間近く連続使用ができるバッテリーライフの魅力を訴求していきたい」と考えを述べた。
イーモバイルのポケットWiFiは、国内約450万ユーザーを獲得してデータ通信端末のトップシェアを堅持しているというガン氏は、この普及率の高さを活かしながらワイモバイルのビジネス基盤の一つとしていく考えを示した。本日発表された新製品“Pocket WiFi”「303HW」は、フルセグ/ワンセグ対応のテレビチューナーを内蔵したWi-Fiルーター。2.5GHz帯AXGPに加え、1.7GHz帯LTE、1.5GHz/1.7GHz/2.1GHz帯3Gのマルチネットワークが利用できる。電源投入後5秒でのクイック起動にも対応した。発売は8月1日を予定する。
PHS製品の一般コンシューマ向け料金プランについてはウィルコムが提供してきたものが継承される見込み。ポケットWiFiのプランについては本日具体的な内容は公開されなかったため、また別途機会で明らかになるものと思われる。
《山本 敦》
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