【ケーブルコンベンション2014】CATVの8K伝送、バス停情報システム、中継自転車
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まずNHKのブースでは、8Kのスーパーハイビジョン(SHV)放送をCATVで伝送する技術を実演していた。これは既存の伝送方式で、複数の搬送波(64QAMあるいは256QAM)にSHV信号を分割して送ることで、CATV伝送路を変えずに家庭に配信できる技術だ。すでにJ:COMの調布ヘッドエンドから世田谷のNHK技研まで、商用の伝送路を通して実験を行っているそうだ。NHKでは2020年の東京オリンピックを目指して開発を進めているが、2年後の2016年には衛星からの試験放送もほぼ決まっており、その際にケーブルでも同時に伝送できる仕組みをつくる方針だ。
関連会社のNHKアイテックのブースでは、人の集まる場所に小型デジタルサイネージ「アイボー君」を置いて情報を発信するデモが行われていた。NHKの文字ニュースや緊急地震速報、さらにはホテルなどで外国人に対して5ヵ国語対応の情報を同社のサーバから発信するなど、いろいろな応用が利くという。ユニークだったのが、このサイネージを街のバス停に設置するというアイデアだ。このような試みはすでに始まっているが、運航情報だけでなく、ニュースや臨時災害情報などを表示することで、バス停が情報スポットに早変わりする。ここにWiFiのAPを内蔵しておけば利用が広がる。外国の観光客からよく耳にするのが、日本にフリーのWiFiスポットが少ないということ。バス停は定位置にあるので分かりやすく、こういった問題も一気に解決してくれるかもしれない。
もう1つ面白かったのが、自転車型の移動中継車「チャーリー」(松浦機械製作所製)と、バックパックに背負う「らくらく中継システム」というハイビジョンの生中継システムだ。簡単にいうと、ハイビジョン中継車が自転車や歩行者になったイメージだ。5GHzの送信機からワイヤレスで映像を10kmまでリアルタイムに送ることが可能だ。レート制限機能を備えたエンコーダを内蔵し、ロードレースやイベントなどの屋外、および災害時などで手軽に利用できる。またワンタッチでアンテナを基地局の方向に自動追従できる機能も備えている。ケーブル敷設が困難な場所での回線構築が容易に行えるため、特に災害時に役立つだろう。
《井上猛雄》
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