【木暮祐一のモバイルウォッチ】第56回 au網を使ったMVNO、ケイ・オプティコムの「mineo」をレビュー Part2
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MVNO「mineo」のラインアップに“格安ではない”端末が加わった意義とは?

■SIMカードだけの購入も可能である
mineoは、データ通信に関してはLTEしか利用できないという条件があるが、その代わりauで回線契約を結ぶ場合に比べ、より安価に利用が可能である。SIMカードのみの購入(契約)ができ、毎月のデータ利用料別に1GB、2GB、3GBの3種類から選ぶことができる。090/080の電話番号による音声通話付きのデュアルタイプ契約も選択可能。mineoのSIMカード自体は、auが発行するau ICカードと同じもの。SIMカードのみ購入する場合はauの中古端末や、auの周波数帯(LTEバンド)に対応したSIMフリー端末で利用することになる。
NTTドコモのネットワークを利用したMVNOはすでに数多くの事業者がサービス提供を行っている。ところが、これまでNTTドコモ以外の通信キャリアのネットワークを利用したMVNOはなかなか存在しなかった(データ通信専用で、過去にau網を使ったものや、現在でもUQコミュニケーションズなどを使うMVNOは存在する)。
au網を積極的に利用しようというMVNOが存在しなかったのは、回線卸料の問題もさることながら、そもそもauが3Gで利用している通信方式が他キャリアと異なっていたという点も大きい。NTTドコモやソフトバンクモバイルは、3GにW-CDMA方式を採用しているので、中古端末のバリエーションも多い。しかしながらauはCDMA2000方式を採用していたため、auが販売した端末に限られてしまう。しかも、以前はau自身が端末ごとのSIMロックを講じていたため、同じauのSIMカードを挿入しても、回線契約が異なるものであれば、ショップ窓口で機種変更手続きを取らない限り使用することができなかった。
しかしながら、通信方式の主流がいよいよ3Gから4G(LTE)にバトンタッチしようとしている昨今、au網を利用したMVNOが立ち上がってもおかしくない状況となってきた。そんな中で誕生したのが「mineo」である。
さて、実際にmineoのSIMカードを既存のau端末に挿入して利用してみよう。auが発売した中古スマホにmineoのSIMカードを挿入すると、スマホ端末はまずこのSIMカードを「auのもの」として認識して起動する。じつはこのままではデータ通信ができない。mineoの用意したデータ通信を行うのに必要なアクセスポイントの設定変更が必要となる。
実際の設定方法はmineoのユーザーサポートページに分かりやすく説明されている。Android OS端末の場合はAPN設定が必要となり、iOS端末では、mineo経由で接続するためのプロファイルのインストールが必要となる。
ドコモやソフトバンクのSIMフリー化させたスマホ端末なども試したが、mineoを利用できないものもあるようだ。auの4G LTEネットワークは主力が800MHz帯のプラチナバンドを使用したネットワークであり、このほか1.5GHz帯とグローバルで各社が利用している2GHz帯(2.1GHz帯)でもLTEの電波を吹いているのだが、auとしては2GHz帯のLTEは決して力を入れているとは言えないので、au以外が発売したLTEスマホのほとんどは使い物にならないと考えたほうがいい。
このauのプラチナバンド帯のLTE網に対応した端末は、おおむね2013年秋以降に発売開始されたauスマホということになる。中古端末を購入する際には、プラチナバンド帯のLTEに対応した端末かどうかをよく確認して購入したほうが良い。また、無難な端末としては、auが発売したiPhone 5s/5cあたりだろう。現状はまだ中古としての流通が少ないが、来月にも発売されると噂される次期iPhoneが登場すると、現行のiPhone 5s/5cの中古端末が大量に市場に流れそうだ。
《木暮祐一》
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