【Startup Asia Tokyo 2014 Vol.2】日本にもようやくエンジェル文化が育つか……海外VCや日本の証券会社も出展
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ベンチャー企業向けのマッチングイベントは、北米西海岸ならポピュラーなイベントのひとつだが、日本ではなかなか定着してこなかった。コーポレートベンチャーキャピタルと呼ばれるような、企業が自社ビジネス開発のために行うイベントやアイデアコンテスト、プログラムはあったが、アジアではむしろタイ、インドネシア、シンガポール、香港などの新興国のほうが活発である。
アジア最大級といわれる「Startup Asia」が東京で開催されたことは注目に値する。同イベントが日本で開催されるのは初である。会場には世界中から集まった投資家、エンジェルも集まり、日本、アジアのベンチャー企業の若者とともの国際色豊かなイベントとなっていた。
Fenoxは、シリコンバレーを拠点とするベンチャーキャピタル(VC)だ。ブースの担当者に「日本のベンチャーへの投資は欧米VCにとって魅力的なのでしょうか。アジアや中国のほうがリターンが見込めるのではないか。」と率直に聞いてみた。ブースの担当者は、たしかにシード(起業まもない段階)への出資は日本ではリスクが高いが、ある程度成長が見えてきたベンチャーの場合、日本市場は依然として魅力である、との回答だった。
同じく投資側で出展している大和証券にも聞いてみた。証券会社は以前からコーポレートベンチャーへの投資をメインに取扱を行ってきたが、近年は日本でも個人投資家、いわゆるエンジェルと呼べる存在が増えており案件が増えている。とくにアベノミクスによりベンチャー企業の育成は成長戦略のひとつして位置づけられていることも大きいという(大和証券 事業法人第六部 上席課長代理 田中康介氏)。
今年もおそらく70社くらいのベンチャーが上場するとみられており、個々の投資規模は30~100億円だという。日本のエンジェルはどのような人物が多いのかという質問には「自身が起業を成功させ、第二の起業を考えているような人」(同前)とのことだ。
同イベントの基調講演ではDeNAファウンダーの南場氏が「縛りが強い金には手をだすな」と参加者にアドバイスしていた。日本で起業をめざす若者は、思惑やしがらみ含みのコーポレートベンチャーキャピタル、花火だけの起業コンテストより、アジアや世界のエンジェル、VCを地道に向き合う時期が来たのではないだろうか。
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