先行車検知、白線検知など、トヨタが自動運転技術初公開へ
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今回公表したのは、高度運転支援システムの「オートメイテッド・ハイウェイ・ドライビング・アシスト(AHDA)の発展形。AHDAは2013年秋、高速道路上での安全運転を支援することを目的に開発された。
ITS世界会議で展示されるAHDAは、2013年のものとは異なり、車車間通信技術は搭載していないが、米国の実際の道路環境にあわせて改良。速度が110kmまで対応が可能で、このAHDAは主に3つの技術により、高速道路で安全に車線・車間を維持しながら走行できるよう、ドライバーの運転を支援する。
その3つの技術の1つ目が、「ダイナミック・レーダー・クルーズ・コントロール」(DRCC)。フロントグリルに搭載された77ギガヘルツのミリ波レーダーで先行車を検知し、一定の車速および先行車との距離を確保する。
2つ目は、「レーン・トレース・コントロール」(LTC)。 前方カメラや77ギガヘルツのミリ波レーダーからのデータを用いて白線や前方車両を検知。最適な走行ラインを算出し、自動的にステアリングや加減速を適切に調整。ドライバーが車線内で、走行ラインをより簡単かつ安全に維持できるよう、支援を行う。
3つ目は、「ヒューマン・マシン・インターフェイス」(HMI)。高度運転支援システムにおいても、ドライバーが常に運転の主役であるべきとの考えのもと、手動運転と自動運転の切り替えがスムーズに行えるよう、専用のHMIを採用した。
また、新たな要素技術としては、「車載用イメージングレーザーレーダー」(SPAD LIDAR)がある。豊田中央研究所と共同開発したSPAD LIDARを、新たに公開。SPAD LIDARは、性能向上に加え、大幅な小型化、低コスト化を図り、コンパクトに車載することが可能。さらに、従来のミリ波レーダーとステレオカメラ両方の機能を1つで備え、障害物の位置や形状を高精度で検知できるとともに、昼夜問わず、外光にあわせて感度を調節するアクティブセンサーを搭載する。
もうひとつの新しい要素技術が、「3Dヘッドアップ・ディスプレイ」(3D-HUD)。米国のトヨタ情報技術センターを中心に、人と車両の連携向上を目指し、開発を進めている革新的なインターフェイス。車両の状態、標識や交通状況などの情報を、フロントガラス越しの道路上に重なるように3D表示することができる。車とドライバーがチームメイトとなるキーデバイスとして、研究が進む。
なお、トヨタは今回公表したAHDAに基づいた技術を、2010年代半ばに米国で商品化する予定。トヨタは「交通事故死傷者ゼロという究極の目標に向け、車の安全性をいっそう向上させるべく、自動運転技術やつながる技術に取り組んでいる。自動運転技術の研究を通じて得た先端要素技術や知見を利用し、次世代の高度運転支援システムをできるだけ早く、幅広い顧客に届けられるよう、努力を続けている」とコメントしている。
【ITS世界会議14】トヨタ、自動運転技術の最新版を初公開へ
《森脇稔@レスポンス》
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