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まず樋口氏は、3代目の新CEOに就任したサティア・ナデラ氏について触れた。同氏は現在、モバイルとクラウドに軸足を置き、「チャレンジャー精神」「お客様第一主義」「学ぶ姿勢・チームワーク」「現実を踏まえた戦略」「“光る”会社」に、という5つのスローガンを掲げて、マイクロソフトの文化変革を急ピッチで進めているという。
樋口氏は「我々は、これまでの成功に胡坐をかかず、危機感をもってチャレンジし、変化する環境に学び、チームワークでカバーしていく。またお客様第一主義をモットーに現実に則した戦略に展開する。たとえばWindowsだけに固執することなく、iPadやAndroid端末にもOfficeを対応させてきた。Windows Azure上でも、Salesforceなど各社ソリューションが使えるように、全方位でのアプローチを図っているところだ。CEOも変わり、社員一丸となり、光る会社になろうとしている」と意気込みを語った。
その変革のために、樋口氏はマイクロソフトのコアコンピタンスも明確にした。それは「デジタルワーク」と「デジタルライフ」の追求だ。「これらはB2BとB2Cの技術であり、二律背反する命題にも思えるが、いずれのソリューションも提供していくことが我々のミッションだ。マイクロソフトの得意な生産性の向上を提供し、人を中心とした使いやすいサービスやマルチプラットフォームを徹底していく方針だ」(樋口氏)。
昭和の東京オリンピックから半世紀が経ち、ワークスタイルも様変わりした。昔は出張をすれば羽を伸ばせた気楽な時代だったが、いまは電車でも飛行機でも、いつでもどこでもコネクテッドされる時代だ。「オペレーションもコミュニケーションもスピードを上げなければならない。製造現場だけでなく、ホワイトカラーも含めてトータルな生産性については考える必要に迫られている。日本はOECD先進国では生産性が最下位だ。2回目の東京オリンピックに向け、ICTの利活用により生産性を高める必要がある」(樋口氏)。
そのような状況で、企業内のワークスタイルも多様化し、タブレットの市場が拡大している。2015年は320万台の法人マシンが出荷されると予測されている。タブレットOSの国内シェアはiOSが最大だが、Windows系はこの1年間で19%から26%へシェアを伸ばした。Windowsタブレットの強味は、幅広い選択肢にある。「たとえば、業種に特化した専用端末、タブレットとPCを兼用する2 in 1マシン、コストを下げたタブレットオンリーマシンがあり、あらゆるニーズに対応できる」(樋口氏)。
《井上猛雄》
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