防犯システムの基本 Vol.9~ネットワークカメラ
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
まず従来の防犯カメラと何が違うのかといえば、名前の通り「ネットワークで接続して管理するカメラ」ということができる。従来のカメラは主に同軸ケーブルを使って給電と映像信号の送出を行っていたが、これがLANケーブルになる点がハード的な相違点。同軸ケーブルは配線が長くなると信号が減衰してしまうがLANケーブルはそれが少ない。さらにハブを経由すれば配線の長さは(ほぼ)気にしなくて済むのだ。もともと、デジタル化した映像データを圧縮してHDDに記録するシステムが一般的なため、デジタルデータを直接やり取りするLANケーブルとの相性はいいといえる。
同時にデジタルデータをLANケーブルで扱うということは、PCやインターネットとの相性もいいということになる。例えば僻地の防犯カメラで撮影はもちろん可能だ。ただし、トラブル対応は現地の人員を割くことになってしまう。
そう考えると、ネットワークカメラはwebカメラに近いともいえるだろう。家庭や職場内のネットワークやインターネットを使って離れた場所の様子を確認できるわけだ。それに加えて防犯カメラとして使う場合は、記録装置をセキュリティの高い離れた場所に設置することも可能となる。
ひと昔前までは回線状況によっては高画質の映像データを送れなかったが、最近では高速回線の普及や中継・処理装置の高性能化によってフルHD画質程度なら問題なくやり取りできるようになっている。機種によっては4K画質対応のネットワークカメラもあるのだ。ハード面から見ればネットワークカメラは設置の自由度と利便性が高く、今後の防犯カメラシステムの主流となる可能性を秘めている。
ただし、従来の同軸ケーブルを使うタイプの防犯カメラが設置されている場合、それをネットワークカメラシステムに入れ替えるには配線を全部イチから交換する必要がある。新規設置か入れ替えか、また利便性とコストをどう判断するかによるが、導入を検討する価値は十分にあるといえる。
《防犯システム取材班/宮崎崇》
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