状況別防犯システムの導入パターン Vol.5~商店街編
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このような商店街への設置に関しての要点は概ね以下通りだ。
まずは中望遠以上のレンズを備えたカメラを設置するということ。通行人が多い商店街では、広角カメラだと拡大時の鮮明さがどうしても劣ってしまう。ただ、通行人が多いということは、被疑者画像の公開時に目撃者や情報提供の可能性も飛躍的に高まることも考えられるので悪い点ばかりではない。配線が長距離に及ぶため、中継装置やブースターといった補助機器の導入も考慮しておこう。
合わせて撮影範囲に漏れがないよう複数台の設置が望ましい。「駅などからの人の流れに対して正方向」「並走する国道からの横断者」など状況に応じて設置場所や撮影範囲を絞り込んでおきたい。通路の中央にある街灯など、これ以上はないといえるベストポジションも選べることもあり、カメラの設置場所自体に関してはそれほど苦労はないだろう。アーケードがある場合は直上への設置も考えられる。
設置後にリモコン操作でカメラの向きやズームを調整できるタイプのカメラも有効だ。ただ、あまり頻繁に調整を行うとイザという時にあさっての方向を向いていたということもありえるので、普段から操作には注意する必要がある。
日中だけでなく夜間への対策も必須。商店街は夜間でも街灯で照らされているケースが多いと思われるが、場所によっては夜間撮影機能を備えたカメラも必要になってくる。大型の赤外線投光機を併設することも考えられるが、それならばいっそのこと通常の街灯にしてしまう手もある。
このように複数のカメラを設置するので、複数のカメラからの入力に対応した大容量の記録装置も必要になってくる。もちろん、記録した画像の管理は専従者を決めて慎重に管理するのはいうまでもない。管理PCにパスワードを設けるなり、そのスペースに入れる人間を制限するといった必要がある。
「防犯カメラ動作中」といった看板や案内を設置し、威嚇・抑制効果を狙う手法も多用される。むしろ防犯カメラ自体は隠して設置する必要はないので、大柄な筐体で目立つカメラでも問題はないだろう。
このように設置自体に関しては周囲の賛同を得られやすく、また物理的な設置スペースにも苦労はしないだろう。むしろカメラの台数や配線、記録装置などでちょっとした規模のシステムを構築することになる。費用の面はもちろん維持管理のコストなども考慮しておくことが大事といえる。
《防犯システム取材班/宮崎崇》
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