ソフトバンクとベネッセが進めるICT活用教育、来春から全国100校でスタート
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
Classiは、「子どもの無限の可能性を解き放ち、学びの形を進化させたい」という想いから2014年4月4日に設立された。ICTを1つのツールとして活用することで、学びを得る形が変わってくるだろう。このような時代の変化に合った学びの形を提案していく。
まずは、2014年度に全国100校のモニター校で学校現場の課題や先生の活用実態についての検証を重ねたうえで、2015年4月より、高校および中学校向けに正式サービスを開始する。その後、小学校や大学にも順次拡大していく予定で、グローバル展開も視野に入れているという。
◆両社の強みを活かして学校教育でのICT活用を推進
ソフトバンクは新30年ビジョンの1つに「教育」を掲げており、教育への取組みを新規事業として企画していた。一方、ベネッセは学校へのコンサルティングを事業の1つとしており、紙からデジタルへシフトしているタイミングで、ICTを活用して学校への支援領域をどのように広げていくかを考えていた。そこで、学校へのコンサルティングに強いベネッセと、ICTに強いソフトバンクがタッグを組むことで、両社の強みを活かして学校教育のICT活用を推進することになった。子どもたちが、生活の大半を過ごす「学校」を支援することが重要だという。
◆コンテンツもオープン、ハードウェアもオープン
教材等のコンテンツは、ベネッセのコンテンツだけではなく、教科書や問題集、動画などの教材をもつパートナー各社と連携してオープンにやっていこうと考えている。
タブレット等のハードウェアは、メーカーやOS、機種を選ばず、基本的にはどのデバイスでも動くサービスになっている。すでにハードウェアを導入済みの学校には、既存の設備をできるだけ利用するよう提案している。また、これから導入する学校には、各校の実情に合ったハードウェアを販売するほか、通信機能付きレンタルタブレットの提供も行う。学校現場ではiPadやWindowsタブレットが多いが、Androidタブレットも提供する。このようなオープンなプラットフォームを提供していくところが大きな強みだという。
◆生徒の理解度を把握して授業に即時反映
モニター校は、ICTを推進している学校を中心に全国から100校を選定。公立よりも私立の学校が多く、中学より高校が多い。提供する複数サービスの中から、各学校で必要なサービスを選んで利用している。
桜丘中学・高等学校(東京都北区)では、2013年度に校内無線LANを整備し、専任教員全員にiPadを導入、2014年度からは中学と高校の新入生全員にiPadを導入している。校外の模擬試験の結果と校内の定期試験の結果をクロス集計して、生徒の弱点分野を分析。この分析結果を夏期講習のプログラムに反映している。
また講習では「授業・学校支援サービス」のWebテスト・アンケート機能を使って生徒の理解度を把握し、その結果を踏まえて次回の授業設計をしている。フィードバックのサイクルを早くすることで、先生方の気づきが増えるという。これらを実現するにはICTが不可欠だ。Classiのホームページには、桜丘中学・高等学校のほか開智未来中学・高等学校や東京立正中学・高等学校など7校の事例が紹介されている。
◆Classiの授業・学校支援サービス
Classiが提供する「授業・学校支援サービス」には、「授業・学習コンテンツ」「生徒カルテ」「コミュニケーション」の大きく3つの機能がある。特に、面談には生徒の進路を決める重要な役割があるが、生徒の授業出席率や成績、指導の履歴などの情報が分散しがちで、面接の準備に時間がかかってしまう。
「生徒カルテ」では、各生徒の授業や生活指導、自宅学習のさまざまな情報を一元管理し、データを見ながら質の高い面談指導ができる。また、保護者が子どもの今の状況を知るために、Webで生徒カルテの一部を閲覧することもできる。
大学入試センター試験を廃止し、思考力・判断力・表現力を中心に評価する新テストを実施する動きもあり、学校が評価する項目も増えてきている。そのような変化にも「生徒カルテ」で対応する。
「授業・学習コンテンツ」には、中学1年生~高校3年生の全教科2万問を用意。問題には難易度が記してあり、先生が選んで出題できるようになっている。高校生に中学生向けの問題を出題するといった学び直しもでき、モニター校の先生方から好評を得ているそうだ。
文部科学省は、教員による一方的な講義形式の教育ではなく、生徒自ら課題を解決したりプレゼンテーションしたりする能動的な参加型学習「アクティブラーニング」を推進している。「授業・学校支援サービス」はアクティブラーニングが実現できるサービスで、モニター校の声も逐次反映して機能に盛り込んでいるという。
学びの形が変わりつつあるなか、ClassiではICTを活用し、生徒ひとりひとりの学習量や状況を「見える化」することで、タイムリーに指導に反映できる機能を提供する。先生や生徒だけでなく、保護者からも期待されるサービスになるのではないだろうか。
ソフトバンクとベネッセが「Classi」で目指す学びの進化とは
《工藤めぐみ》
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