状況別防犯システムの導入パターン Vol.6~工場編
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まず最初に考えたいのは、外部からの侵入者の警戒。同業他社の産業スパイ行為を警戒するのはもちろん、侵入者による妨害行為もないとはいいきれない。となると、工場の外周や出入口にカメラを設置し、正規の入退室者はもちろん違法な侵入者を警戒したい。特に敷地内に出入りする車両のナンバープレートは必ず記録すべきだ。場合によっては入退室管理システムやセンサー連動の警報装置などの設置も考慮する。
防犯カメラについては出入口を撮影する場合は、就業時間を問わず解像度の高いカメラでの常時撮影が推奨。撮影するべき対象とカメラの向きや位置が決まっているので広角レンズで広く押さえる必要はない。
一方、工場の外周一帯などイレギュラーな地点には広角カメラを設置し、スキマのないよう万遍なくカバーしておきたい。常時録画でなくセンサーとの連動やイベント録画タイプでも構わないが、この場合はセンサーの検知から数分ほど遡った時点から映像を記録できる機能があると心強い。
また、昨今では対外的な防犯カメラと同時に工場内、つまり従業員の監視も必要になっている。まだ記憶に新しい食品への異物混入事件以降、生産ラインに就く従業員の監視態勢を整える工場が増えているのだ。そして撮影画像の保存期間は、「撮影した生産日から消費期限の日まで」としていることも多い。消費期限内に何か事件が起これば、当該品の生産番号から遡ってその製造過程の映像をチェックできるというわけだ。ゆえに、できるだけ解像度の高いカメラで、従業員の手元を詳細に確認できるカメラが望ましい。
ただ、缶詰などは消費期限が数年に及ぶため、記録した撮影データが膨大になってしまう。ゆえに記録装置には大容量HDDを搭載する必要がある。一般的な工業製品の場合でも「記録データは1週間で消去する」というわけにはいかないので、HDDの容量を重視して全体のシステムを構築しておく必要がある。
《防犯システム取材班/宮崎崇》
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