防犯システムの基本 Vol.14~ネットワークカメラのハッキング対策
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ハッキングされてネットワークカメラの映像が他人から丸見えになってしまう原因は大きく2つある。
1つは製品自体にセキュリティーホールがある場合。海外での事件だが、とあるメーカーの個人向け製品に存在したセキュリティホールを突かれ、監視カメラ自体を完全に乗っ取られたというケースがあった。国内でも同様な欠点があった製品の場合、メーカーがファームウェアの更新で対応した製品がある。これはスマートフォンなどで外部視聴を行う前提で特定のURLに映像を配信するシステムだった。つまり、そのURLさえ判明すれば第三者が普通に閲覧できてしまったわけだ。
結果的にファームウェアの更新や認証システムの変更などで対応したが、そもそも個人向けカメラを導入するようなユーザーがファーム更新を欠かさず行うとは考えにくく、潜在的な脅威は蔓延し続けているといえるだろう。
もう1つは無線ルータやアクセスポイントのセキュリティ設定によるものだ。こちらもファームウェアに欠陥、もしくは意図的なトラップが仕掛けられていた事例がある。しかし、それ以前の問題として個人宅では購入時のまま、「デフォルトのパスワード」で運用している無線LANが多数存在するという問題の方が重大だ。メーカーの初期ID(adminなど)や初期パスワード(MACアドレスなど)でそのままで運用するなど、まさにノーガード戦法。ハッキング以前の問題だ。実際、AOSSなど手軽な設定方法が普及したため、パスワード設定を変更していないユーザーはかなり多い。
本体底面などに表記があるので、悪意がある人物がルータの写真を撮るだけでソーシャルハックが容易となってしまう。かかる時間は数秒だ。また、各メーカー別に無線ルータのデフォルトパスワードをまとめているWebサイトも存在する。ノートPCやスマホで周囲の無線LANネットワークを検索すると「メーカー名」や「商品名」そのままの名前のアクセスポイントがヒットするが、このように名前さえ変更していない場合は、デフォルトのままのIDとパスワードで運用されていることが多いという。
大まかにいえば無線LANのハッキングと変わらない話なのだが、ネットワークカメラの場合は、個人のプライバシーが映像としてはっきりと出てしまう可能性が高い。セキュリティの向上のため、パスワードの変更とファームウェアの更新を重視し、特に無線LANタイプのカメラであれば必ずチェックしておきたい。
《防犯システム取材班/宮崎崇》
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