アザ、日焼け、肩こりも重大な病気のサイン?
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
医学ジャーナリストでヘルスケアコンテンツ・ストラテジストの市川純子氏による同書は、病気の予兆を分かりやすいイラストと文章で表現した健康本。タイトル通り、重大な病気は、「長引く頭痛」、「背中の痛み」、「止まらない咳」など様々な予兆とともにやってくることがある。また、誰もが経験のある「アザ」や「日焼け」、「肩こり」にも他の重大な病気が潜んでいる可能性もあり、体のサインを見逃さないことが重要だ。
そのような予兆があれば正しい科で受診することも、重大な病気の早期発見につながる。しかし、聖路加国際大の中山和弘教授らの調査によれば、日本は欧州に比べ、適切な健康・医療情報を入手して活用する能力(以下、ヘルス・リテラシー)が低いという。同調査では、日本人の8割以上がヘルス・リテラシーが足りないと判定され、また、「医師の説明を理解するのが難しい」と回答した人も半数近くにのぼっている。
この事を踏まえ、著者の市川氏は、「医療本のほとんどは医師や専門家側から書いた本が多く、患者視点で書かれた本は少ない。病気になるメカニズムなど医師が発信する情報は、必ずしも患者の求める情報と一致していない」と、医師側と患者側における知識や情報の差を指摘し、「患者目線になり“自分ごと化”した分かりやすい情報に変換すること、患者が病気になった背景を考慮して伝えることが大切だ」としている。
患者側の生活視点から、病気について“自分ごと化”して紹介されている同書。日本人が見落としがちな重大な病気の予兆を知っていれば、早期発見及び治療に取り掛かることができる。いつまでも健康でいるために、体の正しい情報を知り、自身のヘルス・リテラシーを高めてみては?
《渡邊晃子》
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