新年をさっぱりとした顔で迎えたい……ハイブリッド型カミソリ
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新年はさっぱりとした顔で迎えたい。ひげを剃るのに使い捨てカミソリ(ディスポレザー)は手軽だが、捨ててしまうものだけに長期間利用しているとコストも馬鹿にならないし、現代では資源問題にもコンシャスでなければならない。
いっぽう替刃式カミソリにもそれなりの問題があり、使い捨てカミソリで国内No. 1シェアの貝印による調査(2014年)となるが、替刃式カミソリ利用者の間には、「本体や替刃の価格が高いと感じる」(64.4%)や「長く使っていると汚れが気になる」(42.3%)といった不満がある。また「替刃購入の際自分の替刃がわからない」(59.6%)や「自分の替刃がわからずカミソリ本体ごと買い換える」(36.2%)といった“替刃迷子”もいる。同じく貝印によると、ディスポレザー市場において3枚刃・5枚刃の高機能セグメントが伸長しているという。
これらを背景に、使い捨てカミソリの“高いコストパフォーマンス”“使い切るごとに捨てられる手軽さ”“衛生面・見た目の清潔さ”と、替刃式カミソリの“機能性”“買い替える手間の削減”とを融合させた「Xfit」が開発され、2月に発売された。「Xfit」は、ホルダー1本と替刃4個をセットとして販売。2週間で新しい替刃に交換し、2ヵ月(8週間)で使い切る時にホルダーも交換する。貝印は、新たなカテゴリーとなる「ハイブリッド型」市場の確立を目指すという。
「Xfit」は、替刃式カミソリでありながらホルダーも交換するスタイルを提案したことで、従来の使い捨てカミソリよりも廃棄する樹脂量を大幅に削減し、常にカミソリを清潔に保つことができる。また、ボタンの一押しで行なえる替刃の交換方式や、握り心地の良さを追求したホルダーのフォルムにも開発者はこだわったそうだ。
これらの特徴が認められ、「Xfit」は10月に2014年度のグッドデザイン賞(主催:日本デザイン振興会)を受賞した。シンプルな構造で実現したホルダーの黒と白のパーツが、機能とビジュアルの両面から商品のキャラクターを形成し、個性を発揮している点と、前述の「ハイブリッド」思想が審査員に評価されている。
「Xfit」を製造している「貝印」は1908年、日本の伝統的な刃物生産地である岐阜県関市で創業した。ポケットナイフ製造メーカーとしてスタートし、日本初の国産替刃カミソリを製造した。安全剃刀では国内トップのシェア(30%)を持ち、使い捨てカミソリにおける国内シェアは50%。また調理器具の販売も行なっており、家庭用包丁のシェアでも国内トップだ。
《高木啓》
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