【MWC 2015 Vol.57】ベンチャーならではのアイデアで勝負、Jollaのタブレットを触ってみた | RBB TODAY

【MWC 2015 Vol.57】ベンチャーならではのアイデアで勝負、Jollaのタブレットを触ってみた

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Jolla Tabletが搭載するSailfish OS 2.0のホーム画面。よく使うアプリがパネルのスタイルで表示されている
Jolla Tabletが搭載するSailfish OS 2.0のホーム画面。よく使うアプリがパネルのスタイルで表示されている 全 10 枚
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 MWC 2015に参加するフィンランドのJollaがブースに展示した最新製品「JOLLA TABLET」をハンドリングしてみた。約8インチサイズのタブレットに、同社のSailfish OSの最新バージョン2.0を搭載している。

 Jollaがどんな企業であり、Sailfish OSにはどんなヒストリーがあるのかについては、MWC 2015で同社が実施したプレスカンファレンスのレポートを参考にして欲しい。

 Jollaは昨年のMWC 2014で初のプロダクトとなるスマートフォンを発表。残念ながら日本で購入することはできないが、直販サイトを中心に本国のフィンランド、ノルウェー、ロシア、西欧、カザフスタン、インド、香港で販売を展開している。

 その特徴はインディペンデントなOSでありながらモバイル用のAndroid OSとの高い互換性が確保されているところだ。オフィシャルとしてはGoogle Playに対応していないものの、Yandex.Storeや中国のAnzhiなど非公認のストアからアプリをダウンロードして使うことができるという。

 現行バージョンのOSは1.1になるが、ブースでは最新版2.0のSailfish OSを搭載する「JOLLA TABLET」をハンドリングできた。本体は薄く軽量で、デザインも白と黒のツートンカラーがスタイリッシュだ。

 パネルをダブルタップするとスリープ状態から起動。ホーム画面には最大5件まで、現状アクティブなアプリのパネルが表示され、タップして当該のアプリに切り替えられる。Android OSやiOSのように、ホーム画面にたくさんのアプリアイコンを並べなかった理由は「当社の独自調査では、スマホユーザーの約9割がメールやブラウザ、FacebookなどSNSなど常用しているアプリが5~6件程度で済んでいることがわかったため」だと同社のスタッフは説明する。ずいぶん割り切った思想だが、必要なアプリ一覧はホーム画面の下側を上に向かってスワイプすることでいつでも表示ができるので、OSの導線はけっして不便にはできていない印象を受けた。

 ホーム画面の左側にはツイッターやメールなどの着信表示があらわれる。ホーム画面を横方向にスワイプするとメッセージやメールの一覧やノーティフィケーショントレイを表示することができる。

 一見するだけではそっけなく感じられるUIだが、レスポンスは機敏だし、先述のホーム画面のふるまいなども含めて意外にも使い勝手はよくできていると感じた。内蔵メモリーが32GBのモデルなら219米ドル(約26,000円)で購入できるので、ふと一台購入してみたくなってくるが、現在取り扱いはオンラインの直販サイトでしか行っていない(一部の国ではアマゾンも取り扱っている)ため、日本で購入するのは難しい状況であるのが残念だ。

 もうひとつJollaのブースで面白いものを見つけた。Jollaのスマートフォンは本体のバックパネルを取り外すことができて、中を見るとSIMカードやSDカードのスロットやバッテリーパックにアクセスできる。実は今回のポイントはそこにあらず、背面をよく見ると幾つかの接点が設けられていて、ここに専用のアクセサリーを接続してバックパネルの機能をカスタマイズすることができるのだ。

 Jollaではコミュニティサイトで“着せ替え”用バックパネルのアイデアを募り、いくつかのプロジェクトが商品化間近となっている。その一つがKimmo Lindholm氏の製作したTOHOLED/The OLED Otherhalfだ。3Dプリンタで成型したというOLEDディスプレイ付きのパネルを、Jollaスマートフォンの背面に装着することで、リア側に設けられた小さなOLEDパネルに時計やバッテリー残量などが表示できるようになるというもの。その内容は専用アプリで設定が可能だ。Jollaでは引き続きコミュニティを盛り上げつつ、対応するアクセサリーを拡充していく考えだ。

《山本 敦》

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