【MWC 2015 Vol.62】ドコモ、SIMの機能を他の機器に貸し出せる「ポータブルSIM」をアプリ化
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「ポータブルSIM」は昨年の6月に中国・上海で開催されたMWCの姉妹イベント「Mobile Asia Expo」で初めて披露された。カード型のポータブルSIM本体にNFCとBluetoothによるペアリング機能を搭載し、SIMカードが入っていないスマホやタブレット、カーエンターテインメント機器にかざしてワンタッチでペアリングし、回線認証を行うことでSIMカードの入っていない端末にSIMの機能をいわば“貸し出せる”ようにするというものだ。
昨年の発表時点では実体をもったカード型の端末として発表された「ポータブルSIM」が、今回のMWCではアプリ化され、モバイルやIoTへの活用事例もいくつか紹介された。NTTドコモの展示スタッフは「SIMカードの情報に含まれるパーソナルIDデータ、クラウドサーバーでセキュアに管理しながら有効活用することで、例えばスマホで検索した地図情報をカーナビに転送する際の使い勝手が高まるなどの事例が考えられる」とする。NTTドコモではいまクアルコムとともにポータブルSIMを活用するためのチップセットまわりの開発を進めている段階だという。
一方で、スマホがSIMをカーナビなどに貸し出してしまった後に、スマホ側で通信ができなくなってしまうことへの指摘も上がっているという。「昨年にポータブルSIMを発表して以来、寄せられている声にも応えながら使い勝手を高めていきたい」と展示の説明を担当するNTTドコモのスタッフは語る。
ブースの一角ではロッカー鍵の認証にSIMのID情報を使い、例えば家族や友人など複数のユーザーで一つの鍵をスマホのSIM情報を起点にシェアするといった用途展開も紹介していた。端末にNFCとSIMカードさえあれば比較的簡単に実現ができる機能であり、SIMを個人認証のためのキーとして活用する具体的なイメージがみえてくる展示の内容となっていた。
《山本 敦》
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