【SS2015リポート046】4K監視カメラ普及のための期待と課題……セミナー開催
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
進行役にビデオテクニカの住谷健氏、4K対応製品メーカーの代表としてアクシスコミュニケーションズ(アクシス)の佐藤秀一氏、ソニーの平野喜一氏、RODの山科和也氏がパネリストとして登場。冒頭で、住谷氏による「4K画質とは?」と題した基本の確認が行われた後、4K対応ネットワークカメラをいち早く市場に投入したアクシスの佐藤氏、本展で4K対応ネットワークカメラの実機を公開したソニーの平野氏、そして4K対応のNVRを発売するRODの山科氏の順番でプレゼンテーションを実施した。
住谷氏のプレゼンテーションで語られた「4K画質」の定義を要約すると、現在、テレビなどで使われているフルハイビジョン画質と比較した場合、4K画質の解像度はおよそ4倍。1,920×1,080のフルハイビジョンに対して、3,840×2,160で、約8メガピクセルの解像度となる。解像度が増えることで、伝送時に必要なネットワーク帯域も3~4倍程度必要となり、録画機器も高いCPUの能力と、保存容量が求められる。またカメラが高画質化することで、使用するレンズの選定がきわめて重要になり、レンズ性能がカメラに追いついていないと、中心部のピントは合っていても、周辺部がボケるといった減少も起こるという。
各メーカーのプレゼンテーションでは、アクシスが今後の4K対応カメラの普及を見据えた戦略的な価格帯で市場投入していることを語れば、ソニーは画像解析や効率的な運用方法の提案など高い付加価値を付けたハイエンドな製品として市場に投入していくことを説明。NVRメーカーであるRODは、録画時の課題となるネットワーク帯域やストレージの圧迫を、H.265による高圧縮技術を用いて対応していくと発表し、モニタリングPCへの負荷に関しては、2015年秋頃までに4Kで30fpsのモニター表示に対応していく予定だと説明している。
パネルディスカッションの終盤、進行役の住谷氏から「メーカーとして、高解像度を活かした最適な設置場所とは?」という質問に対しては、カメラメーカーであるアクシスとソニーはともに、屋外監視を想定していると明言。具体的には、スタジアムや空港、市街地、道路監視などだ。従来であれば、複数のカメラで監視する必要があった場所も、4K対応カメラ1台で広範囲を撮影し、クローズアップしたい場所を部分的に拡大することで、複数のポイントを監視することが十分に可能になる。
今後はまず警察、防衛、広域警戒などのニッチな市場で普及が進み、現状の課題である暗所での撮影を可能にする性能アップや、4Kカメラに見合った高性能レンズの登場で普及が進んでいくだろうという見通しが進行役の住谷氏により述べられた。高画質化し、画像解析技術も急速に進んでいることを考えると、2020年の東京オリンピックの安全を4K対応のネットワークカメラが支える可能性は大いにありうるだろう。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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