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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第72回 身の周りの空気を“可視化”するスマホ連携センサー

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airmon本体。正面上部の黒い電源ボタンを長押しして起動。側面のイラストは保護シールに印刷されているもの
airmon本体。正面上部の黒い電源ボタンを長押しして起動。側面のイラストは保護シールに印刷されているもの 全 9 枚
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 使用方法は簡単。airmon上部にある黒い電源ボタンを長押しするとLEDが点滅、点灯し起動完了。airmonアプリをダウンロードして起動するとairmonとのBluetoothペアリングを求める。アプリ画面の指示に従って、airmon本体裏にあるQRコードを読み取ればすぐにペアリングが完了し、計測できる状態になる。あとは、アプリの「計測する」をタップすればairmonのファンが回転し始め、空気を吸引し、計測を行う。計測時間はおよそ15秒。計測後、直ちにPM2.5値およびPM10値が表示される。

 ちなみにPM2.5というのは、粒径2.5μm(2.5mmの千分の1)以下の微小粒子物質のことを指し、髪の毛の1/30程度の大きさになる。同様にPM10は粒径10μm以下の微小粒子物質という定義なのだろうが、本機は花粉の計測も可能とうたっているので、10μmを超えるサイズの微小粒子も計測され、10μmの計測結果に反映されているようである。ちなみにスギ花粉は30μm程度の大きさとされている。

 これら粒子状物質は主に人の呼吸器系に沈着して健康に影響を及ぼす。粒子の大きさにより健康影響は異なるとされ、その影響度を推し量る測定基準として、その粒子の大きさをPM10やPM2.5との段階に分類している。ちなみに疫学的には、粒子状物質の濃度が高いほど呼吸器疾患や心疾患による死亡率が高くなるとされているほか、PM10や浮遊粒子状物質よりもPM2.5のほうが健康影響との相関性が高いというデータもある。PM2.5が問題視されるのはこのためだ。

 世界保健機関(WHO)や世界各国が、それぞれPM10やPM2.5濃度の基準値を定めている。WHOの大気質指針ではPM10が24時間平均50μg/立方メートル(年平均20μg/立方メートル)、PM2.5が24時間平均25μg/立方メートル(年平均10μg/立方メートル)としている。ちなみに米国はPM10が24時間平均 150μg/立方メートル(超過は年1回まで)、PM2.5は24時間平均 35μg/立方メートル(年平均 15μg/立方メートル)となっている。

 わが国の基準は多少表現が異なるが、浮遊粒子状物質 (SPM) 値が「1時間値の1日平均値0.10mg/立方メートル(100μg/立方メートル相当)以下、かつ1時間値が0.20mg/立方メートル(200μg/立方メートル相当)以下であること(1973年5月8日告示・現行1996年改正版「大気の汚染に係る環境基準について」)」、そしてPM2.5は「1年平均値が15μg/立方メートル以下、かつ1日平均値が35μg/立方メートル以下であること(2009年9月9日告示・現行「微小粒子状物質による大気の汚染に係る環境基準について」)となっている。
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《木暮祐一》

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