園は、これまでに『愛のむきだし』『ヒミズ』などを監督し、海外の評価も高い。今作は、今までの“園子温ワールド”のイメージと一線を画す展開となっており、「血が出ない!誰も死なない!エロくない!」という前評判でも話題だ。しかし、園の作品らしい超展開はそのまま。加えて、園自身が初の特撮を用いて演出を行い、崩壊する東京の街に巨大化した怪獣を出現させる。主演は長谷川博己、ヒロイン役を麻生久美子が務め、渋川清彦、奥野瑛太、マキタスポーツ、深水元基、手塚とおる、松田美由紀、西田敏行らの個性派俳優陣がストーリーを固める。
ロックミュージシャンの夢に挫折し、うだつの上がらない日々を過ごすサラリーマン、鈴木良一(長谷川博己)。会社では想いを寄せる同僚の寺島裕子(麻生久美子)ともまともに話せない。人生に足りない「欠片(ピース)」を探していた良一だったが、ある日ペットにしていた一匹のミドリガメをトイレに流してしまったことからその人生が一変する。
今回公開された予告編の後半では、RCサクセションの不朽の名曲「スローバラード」とともに熱狂した観客に包まれた人気ロックスターの姿が。それは自信に満ち溢れ、きらびやかに変貌した良一だった。その良一の前に、巨大な怪獣が現れる……。予告編のラストでは、ロックスターの姿ではない良一とそれを待つ裕子の姿が映されている。
今作は、4月16日から開催される第5回北京国際映画祭において、コンペティション部門に日本映画として初めて正式出品される。園は、「この映画は俺の魂の集大成だ」と語っており、この賞の行方にも注目が集まる。
『ラブ&ピース』は、6月27日から全国で公開される予定となっている。