中小規模企業間の収益状況は二極化
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
中小企業庁の調査結果では、中小企業の景況は2013年以来改善傾向で、14年4-6月期にマイナスに転じたものの、足下では持ち直しの動きがあるとしており、全体としては好転傾向と見られる。企業1社あたりの実質付加価値額に関しても、中規模企業が横ばい傾向であるものの、大企業と小規模企業は伸びを見せている。
一方で、中小規模企業間の収益状況は二極化が進んでいる。大企業からの受託加工が中心だった中小企業も2000年以降、グローバル化の流れを受け、大企業との関係が希薄化。自ら市場に働きかけることが必要になってきた。こうした背景もあって、同規模の中小企業でも経常利益率上位25%に入った企業はより収益力が増加する反面、経常利益率下位25%の企業はより収益力を下げてるという、同規模企業間での格差が広がる状況となっている。
中小企業白書では、今後の中小企業成長のための課題としてイノベーション、販路拡大を取り上げ、成長の可能性を示唆。同時に、新規開拓目標を達成できなかった企業は、課題として「新規顧客を発掘できる人材」「アイデアを出し形にする人材」の不足をもっとも多く挙げており、人材の育成と獲得がポイントとなっている。
中小企業全体でも人材不足は拡大しており、「人材を(十分に)確保できている」と答えた企業は43.8%と半分以下にとどまる。人材を確保できていない企業は56.8%が理由として「人材の応募がないため」と回答したほか、「応募はあるがよい人材がいないため」が39.9%で次いでおり、数・質ともに人材不足に陥っている状況が浮き彫りになっている。
中小企業間でも格差拡大、課題は人材――中小企業白書分析
《こばやしあきら/H14》
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