全国の女性社長、4年間で10万人増……延べ31万人へ

　東京商工は、全国265万の企業の中から女性社長の人数を調査し、延べ31万55人と発表した。また、女性社長の47都道府県の比率や業種、多い名前なども公開している。

　全国267万社のうち女性社長は31万55人と調査開始以来で最多で、全国平均も11.5%と上昇傾向にある。また、都道府県別の女性社長の人口は、東京都の7万9,880人（前年7万2,109人）で5年連続トップ。次に大阪府2万7,678人（同2万5,315人）、神奈川県2万598人（同1万9,283人）、愛知県1万4,898人（同1万4,013人）、埼玉県1万2,891人（同1万1,490人）とつづく。一方、女性社長数が少なかったのは、鳥取県1,218人、島根県1,289人、福井県1,513人となった。

　また、女性社長数と企業数を対比した「女性社長率」は、東京都の14.0％（前年13.5％）。以下、神奈川県12.86％、福岡県12.80％、兵庫県12.6％、大阪府12.5％となった。上位20位をみると、西日本の15府県（九州・沖縄6県、近畿4府県、四国3県、中国2県）がランクインし、「西高東低」の傾向にある。

　業種別に見ると、サービス業他（産業別では、宿泊業、飲食業、介護事業、教育関連など含む）の12万5,388社（構成比40.4％）が最も多く、女性の視点を生かせられる分野であることから数を伸ばしている。

　そんな女性社長の企業の中で、上場企業は29社（2014年12月現在）。産業別では、最多がトレンドマイクロやネットイヤーグループなど情報・通信業の5社、日本マクドナルドホールディングスなど小売業の5社、化粧品メーカーなどを含む化学の5社となっている。

　そして、女性社長の名前の調査では、1位が「和子」の4,080人で5年連続トップ。これは、昭和の始まりから昭和27年（1952年）頃まで、女性の名前ランキングで常にトップを占めたことが影響していると言える。続いて2位は「洋子」3,380人、3位は「幸子」3,366人でトップ3は前年と変わらない結果。以下、「裕子」2,601人、「京子」2,318人、「恵子」2,251人、「久美子」2,210人の順。また上位20位では、「子」がつく名前が大半のなかで、唯一19位に「明美」（1,372人）がランクインしている。

　全国の女性社長数は、2010年の21万人から2014年には31万人と約10万人の増加という結果に。それも親や配偶者から事業を引き継ぐ同族継承が多かった従来に比べ、最近では高い専門性を持った意欲ある女性の起業が目立っているようだ。