箱根山の火山性地震、回数増える……大涌谷で隆起を観測
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
4月26日以降増加している火山性地震は、引き続き多い状態だ。発生回数(速報値を含む)は5月5日117回でピークになり、6日13回、7日12回と減ったが、8日は13時までで34回と増えた。
火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)を継続している。気象庁は、大涌谷周辺では小規模な噴火に伴う、弾道を描いて飛散する大きな噴石にたいしての警戒、風下側では火山灰や小さな噴石が風に流されて降るおそれについて注意を呼びかけている。
また、箱根火山の研究・観測を行なっている神奈川県温泉地学研究所は5月8日、地球観測衛星「だいち2号」により取得されたデータを解析した結果、4月17日以降、大涌谷において直径100~200mの範囲で最大6cm程度の隆起が認められたと明らかにした。同研究所によると、この変化は局所的であることから、地下のごく浅い所の圧力が高まっており、今後この付近で小規模な水蒸気爆発が発生することが考えられるという。
いっぽう国土地理院も5月8日、箱根山の火山活動に伴う地殻変動を大涌谷で検出したと発表した。神奈川県温泉地学研究所と同じく「だいち2号」の、2014年10月9日~2015年5月7日の観測データを解析、大涌谷の直径200m程度の範囲で、最大6cm程度の、衛星に近づく地殻変動が見られたという。この変動は地下の浅い所での膨張をとらえている可能性がある。2014年12月12日~2015年4月17日の解析では、このような変動は見られなかった。
これらの状況に伴い箱根町は、5月6日以降も許可していた、温泉供給施設などの施設保守のための立入を8日以降見合わせた。11日頃までの一時的な措置としている。
《高木啓》
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