【NHK技研公開 2015】フルスペック3要素を満たす8Kスーパーハイビジョンプロジェクター
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「8Kスーパーハイビジョンプロジェクター」は、フルスペックスーパーハイビジョンカメラ(3300万画素の1.7インチCMOS撮像素子)で撮影したコンテンツを、新開発の8Kプロジェクターによって、450インチスクリーンに投影し、デモを実施していた。
この8Kプロジェクターは、「8Kフル解像度(素子画素数3300×3板)」「フレーム周波数120Hz」「広域色表色系の再現」というフルスペック3要素をすべて満たす仕様。従来までのプロジェクターでは、この3要素のうち、いずれかが欠けていたという。
たとえば、2002年に発表されたデュアルグリーン方式は、4K表示の素子4枚(緑2枚、赤・青各1枚)のうち、緑2枚の画素をずらして表示することで、8K相当に映像を疑似的に表示していた。また2011年から開発された「e-shift方式」では、4K表示の素子3枚(緑、赤・青各1枚)のうち、緑、赤・青の画素をフレームごとにずらして表示することで、8K相当に表示していた。
フルスペックスーパーハイビジョンカメラは、8Kフル解像度になり、フレーム周波数が120Hzであるため、1秒あたり120枚の8K画像を表示できる。これによって、スポーツなどの動きに速い被写体をより鮮明な表現が可能になった。
またスーパーハイビジョンでは、ITU-R勧告の「BT.2020」規格に準拠し、ほぼすべての色を表現できる。広域色表色系では、従来のハイビジョンより表色範囲が拡大し、さらに鮮やかな色表現が可能。これは光源(赤・緑・青)に半導体レーザーを用いることで実現したものだという。実際にスクリーン映像を見ると、従来のハイビジョンと比べて、赤やピンクの花の色に違いがあり、対応色域がよく分かるようになっている。
《井上猛雄》
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