【楽しい100人 Vol.8】花や自然に興味を持ってもらうために花屋ができること……GANON FLORIST 代表Hikaru Seino氏 | RBB TODAY

【楽しい100人 Vol.8】花や自然に興味を持ってもらうために花屋ができること……GANON FLORIST 代表Hikaru Seino氏

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Hikaru Seino氏
Hikaru Seino氏 全 4 枚
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 第20回「北海道の楽しい100人」の最後に登壇したのは、花屋「GANON FLORIST」代表、HANAYUIデザイナーのHikaru Seinoさん。フローリストとして、店舗での生け込み、イベントでの装花も行っている。

 Seinoさんのスピーチは花に興味を持つ前の話から始まる。「すごく何でも考える子どもだった。19歳の頃、自分は何なんだろう、どうしたらすごい人になれるのかと考えたことがある。自分は不平不満ばかりだが、何でも感謝できる人は立派だと思った」。それからSeinoさんがしたことは…「外に出て一番最初にあるもの『電信柱』を作ろうと思いました」。会場中に?の空気が流れる。「5カ月ほど部屋でコンクリート遊びをしていたが、不平不満は直らなかった」。

 そのうち動物や植物に目がいく。「公園でおばあちゃん、おじいちゃんが木に話しかけているのを見てものすごく感動した。花は全部雑草と思っていたし、女性に花なんてあげたことない、母の日なんて知らないというタイプだった。こんなおじいちゃんになりたい、そのために植物の勉強をして好きになろうとした」。

 花屋を目指したものの、女性が可愛いエプロンを着けている仕事だろうなと舐めていた。生け花しか知らなかったSeinoさんは挫折を味わうが、どこにでも花を飾ることができるフラワーデザイナーに惹かれる。約2年の勉強後、カナダへと旅立った。カナダを選んだ理由は、「世界的に心のレベルやモラルも高いと言われるその民度が知りたかった。今まで北海道が最高だと思っていたので、それより高いという世界を見てみたかった」からだという。
 カナダの空港に着いたが、お金は20万円ほどしかなく、英語を話せない、勉強道具もない、パソコンもない。初日から迷ったSeinoさんだったが、隣にいた鮭を釣る達人に「何しに来たのか?山を登ればわかるよ」と誘われた。一緒に向かったのは標高の高い雪山「ブラックタスク」で、なんとTシャツ姿のまま、凍死しそうになりながら3日をかけて登頂したという。「民度が高いという国だけあって動物の顔が違う。登山中、スズメが肩にのってくる。リスが足をのぼってきて手にのる。見たことがない光景があった。グリズリーも見た。こんな死ぬ思いをしたのだったら生きて行けると思った」。

 下山した数日後、ファッションプロデューサーのボクソール・ケイコさんに「家賃と食事の面倒を見るから私の仕事を手伝いなさい」と声をかけられた。どこでそんな出会いがあったのか。「店の前でお金をもらおうと太鼓を叩いていたら会えました」と人柄もその人生もますます不思議すぎるSeinoさんである。

 ファッションショーをコーディネートするケイコさんのもとで、CHANEL、Banana Republic、ZARAなどのショーでアシスタントを経験した。「ファッションデザイナーやメイクアップアーティストの友人が沢山増えた。ファッションだけでなく、動画、カメラ、音楽、全て勉強した」。

 札幌に帰ってきてから「GANON FLORIST」を開店し、撮影スタジオも併設した。独創的な装飾がされた店内は、真っ暗で花屋らしくないと言われるそうだ。「フローリストを増やしたいという夢がある。フローリストが流行るときっと植物が流行るという単純な理論。そうすれば女性が大事にされて、旦那さんが記念日に花束を贈る。子供はお父さんはこういうものだと思うようになる。そして子供が大きくなった時、母の日にカーネーションを贈ろう、ではなく、お母さんの好きな花を贈ろう。亡くなった時は菊の花ではなく、大好きな花で飾ってあげよう、そういう時代がいつか来ると思い、花屋を作るべきだと思った」。

 Seinoさんは、「北海道に自然を増やしたい、自分の好きな花を見つけてほしい」をコンセプトに、「HANANINGEN」のプロジェクトに力を入れている。女性の頭に花を飾り、プロがメイクし、撮影する。最初は、写真をfacebookのプロフィールアイコンに使用する条件だったが、「HANANINGEN」になる女性たちは増え続けた。「好きな花は?と聞くと出てこないが、一輪でも自分に似合う花はありますかと聞くと、みな一所懸命選ぶ。そこで選んだ花を頭につけてもらう。そういう価値観をお客様に喜んでもらっている」。

 今では女性だけでなく、男性、赤ちゃん、犬にも花を飾り、三世代での撮影や、おばあちゃん、お母さんに撮影をプレゼントする人も増えた。「花が好きな人が増えて、部屋に飾ったり、花を贈る人が増えている。自然が流行るように、フローリストとして何ができるか、どんな地域貢献ができるか考えていくので宜しくお願いします」。

《RBB TODAY》

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