真贋判定も可能……物体指紋認証技術「GAZIRU」をNECがデモ展示
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そもそも人間の目には同じように見える工業製品や部品にも、人間の指と同じように各個体ごとに固有の特徴を持っている。これは製造過程などにおいて、表面に自然発生する紋様(物体指紋)で、スマートフォンやタブレット端末のカメラなら十分に認識可能なのだ。使い方としては、事前に照合用の画像データを登録しておき、それをカメラでとらえれば、瞬時に製品の個体を識別する。
利用シーンとしては、トレーサビリティ(追跡可能性)や製品の真贋判定、品質管理を想定しており、工業製品や部品の各種管理が、スマートフォンやタブレット端末で簡単に行えるようになる。
セキュリティ分野での使い方を考えると、模倣品を見破るといったことも可能。例えば、あらかじめ正規品のエンブレムやロゴなど登録しておき、模倣品とおぼしきものを撮影すると、瞬時に真贋判定が行える。これまでは模倣品工場の摘発を行う際、模倣品かどうかの判定に時間がとられ、その間に模倣品業者に逃げられてしまうこともあったが、この技術を使えば、摘発で踏み込んだその場で真贋判定を行うことが可能だ。
「第26回 設計・製造ソリューション展」では、複数のネジに番号を振り、それをスマートフォンで撮影し、何番のネジと認識するかを実演して見せていた。取材時には、肉眼だとまったく同じに見えるネジの中から9番と付けられたネジを撮影したところ、「物体認証技術」ではしっかり「9番」と判定。認識精度の高さを伺わせていた(同社が行った実験結果によればボルト1,000個体での照合結果は照合回数100万回でも100%を誇っているとのこと)。
本技術がもたらす可能性としては、製品に不具合があった場合、その製品や部品が、いつ、どこで作られたものなのかまで明らかにできるので、事故やトラブルの原因究明もよりスムーズに行える。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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