【ビギナーのための資産管理術 Vol.2】なぜ他社銘柄もOKに!? マネックス証券によるスマホ向け投資信託アプリの開発戦略とは
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国内で売買されている全ての投資信託の銘柄は、現在約5,700件を数えると言われている。投資信託商品は証券会社や銀行などの店頭だけでなく、インターネット経由で購入することもできるのだが、2014年夏時点で行われた調査によると、日本国内で販売されている投資信託の買付金額のうち、インターネットでの購入金額はわずか1割程度を占めるまでにしか到達していないという。そんな現状の中で、投資信託のオンライントレードをより活性化させるため、マネックス証券はPC向けやモバイル向けのサポートツールの開発にも力を入れている。
■「answer」はマネックス証券の口座を持っていなくても利用可能
マネックス証券の「Monex Visionβ」は、投資信託の運用内容を統合的に分析するためのPC向けオンラインツールだ。個人の投資家は現在保有する資産を目標のレベルに近づけるため、有効な資産運用のバランスを見ながら、商品の追加購入の戦略を手軽にシュミレーションできる。ただ、そもそも「Monex Visionβ」はマネックス証券の顧客向けサービスとして起ち上がったものであることから、利用するためにはマネックス証券の口座を保有していることが条件となっている。
そこで、投資信託に興味を持つより広い層にオンライントレードの特徴を紹介するため、マネックス証券は今年1月にiPhoneで利用できる投資信託のサポートアプリ「answer(アンサー)」をローンチ。アプリ開発の背景を、マネックス証券 マネックス・ラボの山口祐樹氏に訊ねた。
「answer」はスマホやタブレットなどモバイル向けのアプリサービスとして、Monex Visionβのユーザーインターフェースや機能をベースに最適化されている。投資家の保有銘柄を分析して、投資目標に近づけるための銘柄をアプリが提案してくれるという基幹機能は共通化されている。1月に先行してiOS版を、続いて6月にはAndroid版とApple Watch向けのアプリも公開した。
アプリはダウンロードが無料で行えるだけでなく、マネックス証券の口座を持っていなくても使えるところがポイントだ。他社の金融機関をメインで使うユーザーにもアプリの利用を開放した意図がどこにあるのだろうか。山口氏はこう答える。
「通常、個人の投資家の方々は複数の金融機関にまたがって資産を預けて運用されているものです。だから、お客様が資産内容を正しく分析するためには、お手持ちの資産情報に横串を差して管理できるツールであることが優先されるべきだと考えました」
マネックス証券をはじめ大手の金融機関が一社で取り扱う投資信託の銘柄数は、いまのところ多くても800銘柄前後であるが、「answer」では国内で販売されている約5,700銘柄のすべてにまたがった分析ができる。アルゴリズムはMonex Visionβに採用されているものと同じ、マネックス ラボのスペシャリストが金融工学のノウハウをもとに開発したものである。
《山本 敦》
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