川を移設し広場を建設…渋谷駅東口の地下で進む大工事
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現在、渋谷駅東口の地下で進んでいる工事は、東京急行電鉄(東急)東横線や地下鉄各線と、JR線の乗換え利便性を改善する「東口地下広場」の建設と、これに伴う渋谷川の移設工事、さらにゲリラ豪雨に対応する雨水貯留槽の建設の3つだ。
地下広場は東京地下鉄(東京メトロ)副都心線・東急東横線と、東京メトロ半蔵門線・東急田園都市線、JR線を結び、地下1・2階に建設。駅東口の地下1階にあたる部分には渋谷川が流れているため、工事では広場のスペースを確保するため、川を約160mにわたって東側に移設し、広場は川をくぐる形となる。
広場の広さは約1600平方mで、天井の高さは一部で約6mと高めだ。地下広場が完成すると、現在は乗り換えに約3分半かかっている東横線・副都心線からJR線改札までが、直通エスカレーターの新設により約2分に短縮されるという。
雨水貯留槽は広場の下に設けられ、大きさは20×45m、深さは最大25mになる。1時間に50mm以上の雨が降った場合、最大約4000トンの雨水を一時的に貯留し、スリバチ状の地形となっている渋谷駅周辺のゲリラ豪雨に対応する。
同日公開されたのは、新旧の渋谷川と地下広場の建設工事現場。報道陣はまず現在の渋谷川に入り、トンネル内を進んで新しい川との切り替え地点へ向かった。新しい川は幅約10mで、計画流量は毎秒95t。流れは7月中に切り替えを行い、8月末には新しい川に完全に切り替わるという。
広場の上を川が通る場所では上で川の建設、下で広場の建設が進み、将来は副都心線・東横線の駅へとつながる通路となる部分には「この裏副都心線」といった注意書きが見られた。広場部分の空間は天井が高く、地下の施設としては、かなり開放的な空間が広がりそうだ。完成後は地下の4線とJR線、そして駅の位置が移動する銀座線を結ぶ、渋谷駅の中でも特に重要な場所になるだろう。
現場の関係者によると、渋谷駅東口地下工事では昼で約100人、夜は約70人が従事しているという。工事自体は「割とオーソドックス」なやり方だが、大勢の歩行者がいる下で行っているため気をつかう部分が多く、その点が難しい部分と話していた。
オリンピックを翌年に控える2019年度には、高さ230mの高層ビルが完成し、地下広場も同年度頃の完成予定となっている渋谷駅東口。駅西口も含めた工事が完成するのは2027年度の予定だ。東横線の地下化以降「地下の乗り換えが分かりにくい」と利用者の多くが指摘する渋谷駅の利便性改善に向け、地下で進む大工事の進展が注目される。
《小佐野カゲトシ@RailPlanet@レスポンス》
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