企業モバイルに迫るセキュリティ脅威とは……モバイルアイアン社・ラゴー氏
ブロードバンド
セキュリティ
注目記事

―― 従来の企業ITシステムと、モバイルの違いは何ですか。
セキュリティという視点からモバイル考えた場合、従来のITセキュリティとは異なる点がいくつかあります。
最初は設計の違いです。モバイルOSでは、アプリケーションのサンドボックス化という手法をとっており、PCでは、すべてのアプリケーションがすべてのデータにアクセスできる一方、モバイルではアプリケーションとそのデータはそれぞれ切り離されています。
2つ目の違いは、ネットワークの境界があいまいになっていることです。モバイルデバイスは爆発的に増加し、データが至る所に存在しており、境界に置いたファイアウォールだけに依存することができなくなっています。
3つ目の違いは、BYOD端末の持ち込みや会社支給端末の私用利用など、従来のIT環境のようには、情報システム部門のコントロールが、モバイル環境に関しては効かないことです。
こうした理由から、従来のITポリシーをそのままモバイルに適用することが難しくなっています。
―― 具体的にモバイルにはどのような脅威が存在しますか。
モバイルアイアンによるさまざまな調査の結果、モバイルに関する脅威の要因は、すべて次の4つのカテゴリのいずれかに整理できることがわかりました。
1つ目はジェイルブレイクやルート化、などのアプリケーションのサンドボックス化を壊してしまう、OSのセキュリティ侵害に関連するものです。
2つ目の脅威は、悪意を持つ、あるいはリスクの高いアプリです。App StoreやGoogle Playで入手できるアプリの中には、パスワードをクリアテキストで保存したり、セキュアな通信プロトコルを使っていないなど、リスクの高い振る舞いをするものがあります。
3つ目の脅威は、ユーザによるデータ漏えいです。たとえばユーザは、許可されたクラウドサービスと個人のクラウドサービスの区別はつきません。このためデータ漏えいがさまざまな形で起こる可能性があります。
最後に紹介する4つ目の脅威は、以前から言われていることですが、セキュアでないWi-Fiネットワークです。コーヒーショップや空港、ホテルなどのオープンWi-Fiを使った企業ネットワークへのアクセスは、インターセプション攻撃やMITM攻撃を受ける可能性があります。
―― 日本市場でのモバイルアイアン製品の手応えはどうですか。
日本でも事例が多く出ています。モバイルキャリアが提供する MDM では満足できずに乗り換えるお客様が多くいます。最近では、Office 365をセキュアに使いたいので、Per-App VPNs を使うケースなどがありました。
―― ありがとうございました。
企業モバイルを取り巻く脅威の4類型 ~ モバイルアイアン社 マイケル・ラゴー氏
《吉澤 亨史@ScanNetSecurity》
特集
この記事の写真
/
関連ニュース
-
鉄工所を開放して冒険体験を提供……福井の長田工業所
エンタメ -
インフォコーパス、IoT向けセキュリティ技術を発表
エンタープライズ -
【Interop 2015 Vol.39】スマートデバイスをシンクライアント化できる「Remotium」
ブロードバンド -
【Interop 2015 Vol.25】モバイル端末をIPSのように防御できるセキュリティソリューション……東陽テクニカ
ブロードバンド -
ALSOKとイトーヨーカ堂、見守り端末とランドセルの同時購入プランでコラボ
ブロードバンド -
NTTPC、法人向けに閉域網接続型のデータ通信/音声通話SIMを提供開始
エンタープライズ -
盗難や紛失などさまざまな情報漏洩を防ぐ…NTT東日本の「スマートデバイスマネジメント」
エンタープライズ -
台湾Plustekがセキュリティ展示会「Secutech 2015」にて最新のMVRなどを公開
エンタープライズ