高精度ナビを支える車両&人力による調査データ……ゼンリンの地図づくり
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◆方面看板や標識は計測車両を活用
車両にはルーフに全方位カメラが搭載されており、これでGPSによって位置情報をリンクさせた静止画を2~3mごとに撮影していく。この画像情報を基に、規制情報や方面案内標識に地名に変更はないか、必要な部分をオペレータが逐一チェックし、同時に自動車が通れるかどうかも再確認していくのだ。
方面案内標識の整備には専用ツールが用意されている。カメラで捉えられた画像を基に、あらかじめ用意されたテンプレートの中からもっとも近い画像を選択し地名を入力して完成させる。そのパターンは500種類以上にも及び、ゼンリンによればこのパターンを活用することでほぼすべての交差点に対応可能だという。また、北海道の主要交差点では進行方向によって交差点名が異なる場合があるが、ゼンリンのデータベースではこれに対応済み。一つの交差点に複数の交差点名が設定できる構造となっているからだ。
◆高低差データも収集、自動運転時代に向けた最新の高精度計測車両も
最近のカーナビゲーションでは道路の標高データも重視されている。都市部では高架道路と一般道が上下に重なっているところも少なくないが、こうした状況下でも正確に自車位置を表示できなければならない。さらに、遠回りをしても高低差の少ない道路を走ることで省燃費効果を発揮する「エコルート」の実現も求められるようになって来た。ゼンリンではその実現のためにも標高データまでサポートできる高精度計測車両を投入して対応を図っている。ちなみにこの高低差データまでサポートする例は日本独自のもので、海外で採用例はほとんどない。
なお、今回の取材では自動運転社会の到来を見据えた高精度計測車両も短時間だが取材することができた。ベースはご覧の通りトヨタ『ヴァンガード』だが、ルーフ部分には測量用のセンサーに加えて、高精度GPSを3基搭載、カメラも複数台設置する。右側のリアフェンダーにも計測機器を備え、「タイヤの空気圧にも気を配っている」(説明員)ほど。誤差はわずか数cmから数10cm程度とのことで、西日本を中心に各所で調査業務に従事している。私たちが日々利用しているカーナビ地図は、こうした最新の調査機材と多くの人手によって、日々メンテナンスされている。
【ゼンリン 地図づくり現場レポート】高精度ナビを支えるのは、車両&人力による緻密な調査データ
《会田肇@レスポンス》
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