【SPEED TEST】3キャリア LTE/3G分析……1月~7月末 150万件超のデータで振り返る
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ここからは下り速度について更に詳細に見ていきたい。
まず都道府県別について、トータルの平均速度で最速だったソフトバンクが、35の都道府県で下り速度1位となっている。KDDIは11、ドコモは2つの都道府県において最速となった(三重県はソフトバンクとドコモが同率1位)。3キャリア合計の平均速度で全都道府県が下り20Mbpsを超えており、地域による格差も小さくなっている印象だ。ちなみに3キャリア合計の平均速度ワーストは秋田県で、下り20.19Mbps(測定数:5,624)。一方で最速は下り34.43Mbps(測定数:10,060)を記録した香川県だった。香川では3キャリアとも下り30Mbpsを超えており、特にKDDIが38.62Mbpsと全体でもっとも速い平均値を記録した。
■一日を通して快適な速度を維持。夜間にやや速度低下の傾向
時間帯別に見てみると、3キャリアとも、早朝7時~8時ころ、お昼12時前後、夕方18時~深夜0時ころといった、通信トラフィックが混雑する時間帯に速度が低下する傾向にあった。それぞれのワースト時間帯は、ドコモが21時台(下り17.77Mbps)、KDDIが22時台(21.60Mbps)、ソフトバンクが22時台(27.02Mbps)。MVNOの格安SIMサービスではお昼の速度低下が注目されているが、3キャリアのLTE/3Gについては夜間にもっとも速度が落ち込んだ。
ただし、ワーストが唯一20Mbpsを割ったドコモにしても17.77Mbpsとまずまずの結果で、3キャリアとも1日を通して快適に使えそうだと言える。この傾向はiOSのみに絞ってもほぼ同様だったが、ドコモの12時台の落ち込みがやや大きく、下り14.82Mbpsと15Mbpsを割る結果となっている。
■10Mbps以上の測定が大半を占める
下り速度について、1Mbps未満/1Mbps以上~10Mbps未満/10Mbps以上~20Mbps未満/20Mbps以上~40Mbps未満/40Mbps以上といった区分に分けて、それぞれの速度帯の分布を分析してみた。
3キャリアとも、1Mbps未満の割合がもっとも少なく、20Mbps以上~40Mbps未満の割合がもっとも多い結果となり、20Mbps以上のスループットがスタンダードになっていることが分かる。下り10Mbps以上をひとつの指標として見てみると、ドコモは65.7%、KDDIは71.73%、ソフトバンクは82%が10Mbps以上の測定だった。iOSでも同じように見てみると、ドコモは57.4%、KDDIは70.44%、ソフトバンクは82.2%が10Mbps以上の結果となっている。
月別、都道府県別、時間帯別、速度分布といったかたちで3キャリアのLTE/3G通信速度を見てきた。いずれの切り口で見ても、各キャリア通信速度に大きな穴はなく、安定した結果が出ている。しかし、安定はしているものの右肩上がりで速度が増加する様子はこのところ見られないようだ。来月に予想される新型iPhoneの登場以降、各社の競争が再度盛り上がることも考えられる。通信速度は頭打ちになってしまうのか、さらに向上していくのか、今後も注目していきたい。
《白石 雄太》
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