モザイク状の低解像度画像を復元する「学習型超解像技術」……NEC
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
防犯カメラの映像が事件捜査の大きな手がかりとなって、解決に結びつくケースが昨今ではよく報じられるようになった。背景には高解像度な防犯カメラの普及が進み、車のナンバーや顔の識別がしやすくなったことが大きいといえる。
しかし、世の中にはまだまだ低解像度なアナログ防犯カメラが残っていることは多く、容疑者の顔やナンバーが映像として残っていてもサイズが小さ過ぎて、ドットが目立ったモザイク状になってしまい顔やナンバーの識別が難しいというケースは少なくない。それにより警察による解析作業には膨大な時間を要する。
そうした課題を解決してくれるのが、参考出展された「学習型超解像技術」だ。例えば車のナンバーなら、実際に読み取れる複数のナンバーとそれらのナンバーのあえて低解像度にしてあらかじめ学習させておくことで、各数字が低解像度になった場合に、どのようなドット表示になるかのパターンを覚え、復元に役立てるという技術になる。
また、人の顔に関しても様々な顔のパターンを覚えさせることで、低解像度のものからおよその顔を推測して復元してくれる。取材時に実際に復元した画像と、元となった高解像度の顔写真を見せてもらったが、同一人物として認識できるレベルの復元画像となった。
あくまでもデータベースに蓄積したデータを元に推測した画像になるが、さまざまな情報を学習させていくことで多様な画像の復元が可能になるという。
他にも映像解析技術として、映像から動いている人、車、二輪車、色などを識別して抽出する「物体認識技術」や、映像のノイズやボケ、ブレ、明度補正などを行う「鮮明化・超解像技術」なども展示されていた。
いずれの技術も、2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピックに向けて実用化を目指していくとのこと。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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