【新人マーケターのアドテク入門】PMPってなに?(前編)
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反対に、30~40代男性をターゲットに高級スポーツカーを売り出したい自動車メーカーにとっては、Xさんはほぼターゲットから外れます。なので、Xさんに対しては限りなく低い単価を提示する、あるいは入札しないという選択をすることになるのです。こうして、化粧品メーカーはお金を出せばターゲットに対して広告を表示できる確率が高まり、自動車メーカーはターゲットでもないユーザーに対して無駄に広告費を使い、損をすることを防げるわけです。
このような処理が0.0数秒で行われるのですから、本当にすごいシステムですね。広告主は枠ありきの出稿から、人への出稿になったことから、より広告効果を上げやすいターゲットへアプローチできるようになったと言えます。
しかし、現在主流のRTBシステムは誰でも参加できるオープンオークションであるため、最適な人へアプローチできたとしても、実はその枠はブランディングを傷つけるようなサイトだった、というようなことにもなりかねないのです。
特に最近のネットワークはグローバルですから、よくわからない怪しい海外サイトで表示されることもありえないことではありません。逆も然りで、自分のサイトに怪しい広告が配信されれば、媒体価値を傷つけてしまうことだってあります。
■新たな広告配信「PMP」とは
そんななかで登場したのが、今回テーマの「PMP」です。その名前からも推測できる通り、プライベートな空間で行われるオークションということですが、一体どんなものなのでしょう。
小澤氏の説明をお借りして言うと、「事前にメディア情報が正しくわかっているなかで許可されたDSPやクライアントだけがそのオークションに参加できる」ため、お互いに先述したようなリスクを負わないというわけです。また、PMPでは前述のリスクを回避しやすくなるだけでなく、オープンオークションよりも多くの付加情報を送受信することができます。
つまり、広告主はより細かくセグメント分けされたユーザーに対して広告を出稿できるため、より広告効果を高めることができ、さらに細かい情報が付加されたことで、その1インプレッションの価値は上がったわけですから、メディア側もフロアプライス(最低入札価格)を高く設定することができます。
そして最も重要なこととして、PMPはオープンオークションをリプレイスするものではないということです。つまり、PMPで枠が埋まらなかった場合にはオープンオークション、アドネットワークを利用することができます。なので、メディア側もPMPに参入したからと言って、枠の埋まらないリスクを負うこともないのです。
つまりPMPにより、広告主はその広告の効果を高めることができ、メディア側は自社広告枠の価値を高め、収益増加が見込めるようになるのです。双方にとってWIN-WINなシステムであるPMP。今回は仕組みそのものについて見てきました。次回はそんなPMPを導入するにあたり、メディアが心がけなければならない点を小澤氏の話に沿って見ていきたいと思います。
《奥 千奈都》
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