【おとなのグルメ】豊かな魚介類を堪能!青森「新鮮市場」の歩き方
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三方を海に囲まれている青森県は、一年を通して多彩な海の幸に恵まれており、その新鮮な魚介類がいつでも手軽に味わうことができる。春夏は、トゲクリガニ、サクラマス、メバル、アイナメ、カレイ、ワカメ、ソイ、ウニ、マグロ、ホタテ、海峡サーモン、マイカなど。秋冬はサケ、ブリ、サメ、サバ、タイ、ホッキガイ、マダラ、ミズダコ、ナマコ、シジミ、ヤリイカ、ハタハタなどなど。
しかも、東京の感覚からすると驚くほど安価なのだ。青森市を代表する市場は青森駅前に点在しているが、ここは青森市中心部に住む市民の台所としての役割も果たしているため、並ぶ海産物の種類やその価格とも市民目線のものばかり。交通の要所となる青森駅から徒歩数分のところであるので、ぜひ青森市に立ち寄られた際には足を伸ばしていただきたい必見のスポットなのである。
■青森駅前商業施設アウガ地下「新鮮市場」
今回は、年末に青森駅からすぐ近くにある商業施設「アウガ」の地下フロアに広がる「新鮮市場」を訪問した。ここは、味や鮮度にうるさいと言われる青森市民の台所にもなっている。26店の海産物店のほか、野菜、精肉、惣菜等を売る店が4店、干物、塩干物、乾物を売る店が29店、このほか果物、和菓子、地酒などを扱うその他の店が5店並ぶ。また食事どころも5店が軒を構えており新鮮な海の幸やラーメンをその場で味わうことができる。営業時間は店舗にもよるが地下フロア自体は朝5時から18:30まで営業している。人気店では商材が売り切れたら営業を終了してしまうところもある。早朝から賑わっている市場だ。正月期間ももちろん営業している。
■青森名物ホタテとマグロ
青森を代表する海産物といえば、ホタテとマグロ。ホタテは大きさも様々なものが並ぶ。この市場では当然殻付の生きたホタテが陳列されている。青森県産ホタテが養殖される陸奥湾は津軽半島と下北半島に囲まれており、そこに八甲田山系など約200本もの川が山からの豊かな恵みと共に清らかな水を注ぎ続けている。ミネラルたっぷりな河川水により育まれたプランクトンがホタテの貝柱を甘くプリプリな食感に育ててくれる。マグロも当然、生のまま市場に運び込まれ、必要なサイズに切り分けてくれる。
また、この季節は古くから健康食材や高級食材として珍重されてきたナマコもあちこちの店頭に並ぶ。青森県の漁獲量は北海道に次いで2位であるが、青森県陸奥湾産ナマコは品質で世界一の評価を受けている。見た目はグロテスクだが、コリコリとした食感と磯の香りがたまらない。
■冬といえばサケ、イクラ、タラコ、カニ
市場では、正月ということもあって、塩サケ、生サケ、イクラ、タラコ等の魚卵類の店が活況を呈していた。中には行列ができる魚卵量り売り店も。塩サケは北洋産(北方四島周辺海域)や、近接する海域のロシア産などが多かった。1尾5,000円~程度、生サケは1尾1,500円前後。
また、青森の食卓に欠かせないものがサバであるが、この魚も鮮度が求められる。1皿(2尾)で300~500円程度だった。
■新鮮な海産物が食べられる市場内グルメも
この「新鮮市場」には、新鮮な海産物を素材に寿司や丼物、定食をいただける食堂が3店ある。寿司および本マグロ丼、海鮮丼をメニューに並べるのは「すし処三國」。海鮮丼などの丼物や焼魚定食ならば「丸青食堂」がおすすめ。丸青食堂にはカレーもメニューにある。そして、ウニ丼、海鮮丼、お惣菜などを並べるのが「市場食堂」である。筆者は市場食堂でイクラ・ホタテ丼(メニューには無い)を頼んでみた。さらにウニを載せた三色丼はメニューにあったが、ウニよりもホタテをメインに食べたかったためだ。こうしたわがままも気軽に対応してくれる。カウンターには焼魚や中落ちなどが並び、それらをつまみに一杯やるのも良さそう。
また焼き鳥や手羽先、カレー、ラーメンなどをメニューに並べる「デリカ&ミート」という店では、他店で購入してきた刺身や魚、珍味などの持ち込みも可能で、ビール中瓶400円(おつまみ付は500円)や、青森の地酒として全国に知られる田酒、豊盃もある。
そのほか、青森名物の「焼干ラーメン」や「しじみラーメン」、お弁当、おにぎりなどを並べる「★(七が三つ)伝(きでん)」も人気店だ。
■市場から宅配便で自宅直送やギフト配送も可
市場内には、ヤマト運輸および佐川急便の営業窓口もあり、冷蔵、冷凍便で購入した海産物等を発送することができる。自宅宛の宅配はもちろん、ギフト用の配送も可能である。市場内は、海産物に限らず、青森の名産品を扱う店が多数軒を並べているので、青森土産をここで揃えて、宅配便で発送するのも良さそう。もちろん、青森駅前なので、新幹線を使った陸路にしても青森空港経由の空路にしても交通は至便な場所であるので、旅の終盤に立ち寄ってお持ち帰りもOKである。
《木暮祐一》
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