滝口氏は15年も『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』が芥川賞の候補に。今回の受賞作は、祖父の通夜に集まった親類たちそれぞれの人生が“死”を通して描かれ、生者と死者の存在が交錯するストーリー。
本谷氏は4回目の候補での受賞。『異類婚姻譚』は、自分の顔が夫そっくりになっていることに気付いた“私”の視点からユーモラスに描かれ、衝撃的な結末が待っている。その他代表作には、佐藤江梨子主演で映画化された『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』などがある。
青山氏の今作は、6編を収めた時代小説の短編集となっており、人生に迷う武家の男たちを支えたり翻弄したりしながら生き抜く女たちの姿が描かれている。
贈呈式は2月下旬、東京都内で開かれる。賞金は各100万円。昨年の第153回芥川賞は、お笑いコンビ・ピースの又吉直樹さんの処女小説『火花』が受賞したことも大きな話題となった。