サービス開始から2ヵ月、ヤフー×ソニー不動産の個人売買サイトの現状とは
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ヤフー×ソニー不動産、マンション売買サービス「おうちダイレクト」本格スタート
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「おうちダイレクト」は、2015年11月5日より提供の開始されたサービス。マンションオーナーが売却価格を個人で決めることができ、掲載料無料で「Yahoo!不動産」上に物件情報を掲載することができる。また、独自開発の高度な価格推定エンジンを利用することで、精度の高い推定成約価格(システム推定価格)を把握することが可能だ。
説明会には、マンションオーナー約20名が参加。サービス内容の説明がされたのち、希望者には個別相談の時間が設けられた。多くの参加者が個別相談を希望されていたようで、参加者の関心の高さがうかがえた。
説明会終了後に担当者に話を聞くと、「仲介手数料が無料で、自分の手でマンションを売れる点が好評」とのこと。特に、自分で価格を設定したり、自分の言葉で物件の魅力を伝えたりできる点が好評のようだ。一方、自分の言葉で魅力を伝えるのが苦手な人には、プロライターによる文章作成サービスもあるとのこと。このほか、プロカメラマンによる物件撮影を行うサービスも設けられている。
また売り主は、自分が売りに出している物件の閲覧数を知ることが可能。そのため、「閲覧数は多いが、成約に繋がらない」という場合には、価格を引き下げたり、紹介文章を改めたりするなどの対応をすることができる。さらに、要望があれば、ソニー不動産が訪問し、相談に応じることもできるそうだ。
「おうちダイレクト」を利用するメリットは、売り主だけではなく、買い主にとっても大きい。「おうちダイレクト」を利用すれば、マンションオーナーと直接やり取りを行えるため、不動産仲介会社の窓口に来店する必要がなくなる。また、平日の夜間などであっても、マンションオーナーとやり取りをすることが可能だ。忙しいビジネスマンにとっては、このように時間を有効活用できるメリットは大きいだろう。
このような新しいサービスを軌道に乗せるうえでは、いかにして利用者の認知度を高めるかがネックとなりやすい。この点を担当者に尋ねると、「具体的な数値は明かせないが、競合サービスの立上げ当初よりも、速いスピードで認知が進んでいる」とのこと。認知が進んでいることに関しては、自社の検索エンジンである「Yahoo!」での広告活用の影響が大きいという。これは、ヤフーが自社の強みをうまく利用しているプロモーションといえるだろう。
今後については、「認知は進んでいるので、どのように買い主の背中を押すか(どのように成約に結び付けるか)が課題」と語る。実際、サービスを立ち上げたばかりであるために成約事例がまだ少なく、サービス利用に不安を抱えている売り主もいるようだ。担当者は、「無料で使えるサービスなので、まずは試してほしい」とコメント。1~3月は売買件数が増える時期となるので、これからに期待したいところだ。
なお、買い主も無料でサービス利用できるが、売買契約成立時には、成約価格の3%+6万円(税抜)の仲介手数料が買い主に発生する。ヤフーとソニー不動産にとっては、売り主の不安を払拭するためだけではなく、マネタイズの仕組みを構築するためにも、成約件数の増大が喫緊の課題になるであろう。
《松木和成》
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