【深掘り!#002】カギ業界の最新トレンド「スマートロックの今」
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
●従来の鍵とは一線を画す「スマートロック」
第2回となる今回ピックアップするのは、フォトシンスが提供するスマートロック「Akerun」。
そもそも「スマートロック」とは何か?ということから定義する必要があるが、一般的には従来の鍵のようにシリンダーに物理キーを差し込む必要がなく、スマートフォンなどをキー代わりにして解錠・施錠できる鍵を指すことが多い。より広い枠で考えた場合には、すでに普及が進んでいるICカードや専用リモコンなどで開けることができる「電子錠」「電子ロック」などもカテゴリーに含まれると言えるだろう。
今回の記事では、スマートフォンを介して施錠・解錠ができ、後付けかつ簡単設置が可能なタイプのものを「スマートロック」と定義し、話を進めていく。
2015年に発売されたスマートロックのなかでも、関連製品の拡充やメディア露出の多さから特に注目されているのが、フォトシンスの「Akerun」、Qrioの「Qrio Smart Lock」、ライナフの「Ninja Lock」の3社3製品。
従来、鍵といえば鍵メーカーによる製品が圧倒的に多かったなか、フォトシンス・代表取締役社長の河瀬航大氏がガイアックス出身、Qrioは、ソニーとWiL, LLC(World innovation lab)の合弁会社、ライナフが不動産業界向けのシステム開発会社といずれも鍵メーカーではなく、IT・エレクトロニクス業界に関わる人たちによって開発・製品化されたという点が象徴的といえる。
そのなかでもフォトシンスは、各社が製品化・販売開始する前の2014年の段階から、スマートフォンと住宅の鍵を組み合わせた技術を発表していたことから日本における「スマートロック」のパイオニアと位置付けることができる。
今回は、そうした経緯を踏まえて、フォトシンスの広報担当の山岸麗美氏に、スマートロック「Akerun」で「できること」や運用面や防犯面に関して気になることを聞いてきた。
●既存の鍵の上に貼り付けるだけで導入できるスマートロック
冒頭で少し解説したように「Akerun」の特徴は、既存の鍵にも後付けで簡単設置できる点にある。取り付け方は、ドアの内側にある鍵のサムターン部分を覆うような形で「Akerun」本体を貼り付けるだけ。設置面は特殊な粘着テープを使用しているため、簡単に外れることはなく、工事の必要は無い。
また、解錠・施錠の操作は、専用のスマートフォンアプリの操作で行えるので、従来のようにキーをシリンダーに差し込むといった操作も必要なく、アプリ経由で、合鍵を共有したい相手に管理者が解錠・施錠権限を与えたり、特定の時間・日にちのみ解錠・施錠が行える設定にすることもできる。
《防犯システム取材班/小菅篤》
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