「サイバー攻撃者」本人たちにアンケート、年収や準備期間、あきらめるタイミングが判明
ブロードバンド
セキュリティ
注目記事

この調査「Flipping the Economics of Attacks(攻撃の経済的価値の反転)」は、米、英、ドイツで2015年11月に行われ、「サイバー攻撃に詳しい」とされる匿名の個人379人から回答を得ている。回答者の79%は「自分は攻撃者コミュニティに参加している」と回答しているが、身元を隠すための回答で、おそらく実数はさらに高いと思われる。またコミュニティに参加していなくても「詳しい」だけでなく「実際に攻撃に荷担している」回答者も多そうだ。
この調査結果によると、平均的な攻撃活動から得られる年収は3万ドル未満(約342万円)だった。これはサイバーセキュリティ専門家の年間平均賃金の4分の1程度だという。
技術的に熟練したサイバー攻撃者に、攻撃の準備期間を聞くと、「一般的なセキュリティ対策の組織」で70時間、「優れたITセキュリティインフラストラクチャを持つ組織」で147時間を必要としていた。一方で、全体の72%が、「高価値の情報がすぐに得られない攻撃には、無駄な時間を使わない」としており、サイバー攻撃成功までに「40時間」かかると、そこで離脱してしまい、最大60%の攻撃が途絶えることも明らかになった。技術的に熟練した攻撃者でも、「209時間」攻撃が成功しないと別の標的に移動すると回答した。「40時間」と「200時間」というのが防衛ラインの目安となりそうだ。
このことから、攻撃される側は、自社セキュリティを「検出」「漏えい防止」だけでなく「侵害予防」にも重点を置き、サイバー攻撃を十分に足止めすることが重要だと言える。また次世代ファイアウォール、ネットワークインテリジェンス、脅威情報の共有のようなセキュリティ製品を連携させるソリューションも有効だろう。
《冨岡晶》
特集
この記事の写真
/
関連リンク
関連ニュース
-
パソコン乗っ取り実演も……「サイバー攻撃を目撃せよ!秋葉原0305」開催
ブロードバンド -
数億種類のウイルスを約50種に分類、三菱電機が新しい検知技術を開発
エンタープライズ -
「Netflix」ユーザーを狙ったサイバー攻撃が出現
ブロードバンド -
「まんが セキュリティ入門」をグーグルが公開、Google Drive増量も
ブロードバンド -
内閣サイバーセキュリティセンター、LINE公式アカウントを開設
ブロードバンド -
小学生でも分かる「サイバーセキュリティのひみつ」、IPAがマンガ書籍刊行
ブロードバンド -
今年は攻殻とコラボ……「サイバーセキュリティ月間」がスタート
ブロードバンド -
経産省とIPA、「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を策定
エンタープライズ -
AIを活用し未知のサイバー攻撃を自動検知、NECの新技術
エンタープライズ -
「ばらまき型メール攻撃」がまた急増、IPAが注意呼びかけ
ブロードバンド