OS Xランサムウェア詳報……Gatekeeper回避でMacの安全神話は過去の物に
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
それによると、「KeRanger」は、オープンソースのBitTorrentクライアントソフト「Transmission」のバージョン2.90で発見。配布サイトが侵害され、正規のインストーラが不正なインストーラに置き換えられたことにより起こったとみられている。3月5日午前4時~3月6日午後12時時までの間に、「Transmission」をTransmissionbt.comからダウンロードした利用者は、被害に遭う可能性がある。実行されると3日後に発病。匿名通信システム「Tor」(The Onion Router)を通じて犯罪用サーバにアクセスする一方、感染端末内のファイルを暗号化する。
トレンドマイクロの解析によれば、このランサムウェアはMac OS自体のセキュリティ機能「Gatekeeper」を回避しているという。Gatekeeperは、インターネットからダウンロードされた不審なプログラムをブロックする機能だ。今回、インストーラに、正規開発元のデジタル署名が付加されており、Gatekeeper機能が有効に働かなかったとのこと。なお、今年2月にも同様の回避事例が確認されているという。
これらのことから、今後もGatekeeper機能を回避する攻撃が発生するとみられている。この正規デベロッパのIDを悪用する手法は、iOSにおける不正アプリ頒布でも見られており、長年続いていた、「アップル製品は、比較的安全」という安全神話が、いよいよ終わりを告げる気配だ。
《冨岡晶》
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